『イタリア・ルネサンスの巨匠たち』全30巻
東京書籍
刊行:1993(平成5)年11月〜1996(平成8)年2月
1990年代、イタリア・ルネサンス美術情報を欲する日本語ユーザーたちに、格好の画集が刊行された。東京書籍の『イタリア・ルネサンスの巨匠たち』シリーズ全30巻である。複数画家を扱う巻もあって、対象は計33人(一族)。
3ヶ月ごとに3巻ずつの刊行。最後までその刊行計画がきちんと守られたのは、さすが東京書籍である。
図版目当ての私。刊行当初は掲載図版の満足度を吟味しつつ購入是非を個別判断していたが、刊行が進むに連れて知名度が日本ではそれほどでない画家の巻が多くなったこともあり、3巻とも購入、かつ、刊行日初日に書店で購入するようになる(その頃アマゾン・ジャパンはまだ設立されていない)。結局28巻を購入。未購入は、ティツィアーノとボッティチェリの2巻。
刊行時の価格は1巻2,000円(消費税3%込み)。
その後、一部人気画家の巻に限定して再版・再々版、この時の価格は2,400円とかだったような記憶がある。
本書は、イタリアのScala社刊行のシリーズ物を翻訳したものであるようだ。
Scala社のシリーズは、30巻よりもっとあって、東京書籍シリーズで対象外となった画家もいる。
旅行時に美術館のショップでScala社のシリーズを見かける。ヨーロッパ各国語版が揃うなか、どのみち図版目当ての私は、イタリア語版にすることとし、ペルジーノとピントゥリッキオの2巻を購入する。帰ってからびっくり。ピントゥリッキオはイタリア語版だが、ペルジーノがドイツ語版。購入ミスである。イタリアの画家なのに、英語版でもイタリア語版でもなく勿論日本語版でもなく、何故に分かりもしないドイツ語版の画集を眺めているのか。実に奇妙な感じ。
現在は、アマゾン・ジャパン、アマゾン・イタリアあるいは海外の書店へのネット注文により、気になる画家の洋書を容易に、以前に比べれば低価格で選択・入手できるようになっている。ただ、中身を確認できないので当たり外れのリスクはあるし、そもそも本文を読む能力がない。
図版目当てであっても、やはり日本語の書籍が有難い。
以下、東京書籍のシリーズを刊行順に記載。
【1993年11月】
「独自な芸術の探求者」
16.ピエロ・デッラ・フランチェスカ
17.マンテーニャ
18.レオナルド・ダ・ヴィンチ
【1994年2月】
「フィレンツェの美神」
13.フィリッポ・リッピ
14.ボッティチェリ
15.ドメニコ・ギルランダイオ
【1994年5月】
「フィレンツェ絵画の先駆者」
1.チマブーエ
2.ジョット
3.マザッチョ
【1994年8月】
「シエナを飾る画家」
4.ドゥッチョ・ディ・ブオニンセーニャ
5.シモーネ・マルティーニ
6.ロレンツェッティ兄弟
【1994年11月】
「新しい空間の創造者」
7.ブルネレスキ
8.ドナテッロ
9.ルカ・デッラ・ロッビアとその一族
【1995年2月】
「素描研究と色彩への関心」
10.フラ・アンジェリコ
11.パオロ・ウッチェロ、ドメニコ・ヴェネツィアーノ、アンドレア・デル・カスターニョ
12.ベノッツォ・ゴッツォリ
【1995年5月】
「ヴェネツィアの画家」
22.ジョヴァンニ・ベッリーニ
23.カルパッチョ
24.ティツィアーノ
【1995年8月】
「バロックの誕生」
28.コレッジョ
29.カラヴァッジョ
30.ベルニーニ
【1995年11月】
「神聖な構図と運動の表現」
19.シニョレッリ
20.ラファエロ
21.ポントルモ、ロッソ・フィオレンティーノ
【1996年2月】
「マニエリスムへの流れ」
25.ミケランジェロ
26.アンドレア・デル・サルト
27.チェリーニ
本文は読んだことがないので、評価不能。
家がそれなりに広かったので、全集があっても場所は問題にはなりませんでしたが、田舎の家を売るときにとても引き取ることは出来ず、それぞれの子供の家にすこしずつ、地域の学校に少しは残されましたが後は離散しました。
美術の全集は見ているだけで幸せになりますが、場所を取るため引き取ったものも、一部しか開梱していません。図書の場所取りは家族内の協議によります。
並べられることができるのが羨ましい。
ルネサンス期の美術家は、日本の教育の成果か、私も非常に興味があります。何年か前にワシントンのナショナルビューローに行って、ダビンチやラファエロが並んでいるルネサンス時期の部屋に行って感激しました。
フォローありがとうございます。よろしくお願いします。
美術関係の書籍は、本箱に並べてその背表紙を見ているだけでも楽しいものですね。ただ、場所を取るのが問題。本画集は、ソフトカバーで1巻100頁もない本なのでそれほどでもないですが、展覧会図録など厚めで大きめの判型の本は収納場所が枯渇し難儀しています。
ワシントンのルネサンス絵画、私もいつの日か観たいものです。
引き続きよろしくお願いいたします。