かっちゃんのお魚ブログ

ヨシノボリ類、小型ボウズハゼ類など淡水ハゼの採集・飼育・撮影。 (※スマホの方は一番下からPC版へどうぞ)

各種ヨシノボリ 学名と和名

2013-04-20 14:38:47 | お魚
7.1 各種ヨシノボリ 学名と和名

各種ヨシノボリで割愛した「学名」と「和名」を整理しておこうと思います。

○学名について

学名とは、生物につけられた世界共通の名称です。
命名には生物分野ごとに国際的な規約があり、ひとつの「種」に付けられた学名はひとつだけです。
「種」の学名(種名)は、「二名法」といって「属名」+「種小名」で構成され、ラテン語で表記されています。

お堅い話になりましたが、まずこれが前提知識として必要なお話ですね。(眠くなる・笑)

「属」というのは、分類上の位置が近い「種」をまとめて取り扱う分類単位となります。
「種小名」というのは、二名法における2つ目の名前で、「属名」とくっつける事で固有の「種名」となります。

まだ名前が付いていない生物には、将来分類されると思われる「属名」+「sp.」とし、「○○属の一種」とします。
「属名」は最初の1文字+.で表記する事もできます。

学名はイタリック体(斜字体)で記載されている事が一般的です。

italic type

論文では、属名や種名を他の文章とは異なる表記とするきまりになっています。
そのため英文の印刷物では、学名をイタリック体、それ以外の文章を標準字体で表記する事が多いのですが、イタリック体で表記するのがきまりなのではありません。
イタリック体の他には、学名にアンダーラインを付ける事もあるようです。

当ブログでは、外国の方からメールを頂いた事を機に学名を記載するようにしました。
学名の記載があれば外国人でも種の特定がしやすいですし、検索エンジンにもヒットするようになります。

Webでも論文や印刷物に倣い、学名がイタリック体表記となっている事が多いようですが、必ずしも見やすくはない(個人的見解です)ので、当ブログではイタリック体を使っておりません。
ブログは更新が容易な事がメリットでもあるので、いちいち字体を変えるのは面倒というのが正直な所でもあります。(笑)

他にも細かい規約があるのですが・・・これ以上の事は割愛します。(笑)

○ヨシノボリ類の学名

ヨシノボリ属の「属名」は「Rhinogobius」でしたね。
カワヨシノボリの例ですが、学名(種名)は以下のようになります。

Rhinogobius flumineus または R. flumineus

○和名

和名とは、日本語で付けられた名前、まんまそのものです。
生物の和名といった場合、規約がある訳では無く慣習的に使われている名前です。
地域により、同じ生物を別々の名前で呼んでいたりするケースもあります。

種の学名と1対1で対になるようにつけられた和名を「標準和名」といいます。
学名はラテン語のため、日本人が普通に使うには感覚的に馴染まないですし、一般人には敷居が高いですね。
このため、「学名」と同様に使える慣習的な日本語の名前として「標準和名」があるのです。

逆説的な言い方ですが、「学名」「R.flumineus」という魚類には、「カワヨシノボリ」という「標準和名」が付けられているのです。
「和名」(地方名)としては、「ジャチコ」という名前もあります。(もしかしたらカワヨシノボリ以外のヨシノボリ類も同様に呼んでいるかもしれません。)

○ヨシノボリ属の和名と学名(2013年4月)

しっかり整理されていないので、ホントはあまりやりたくないのですが・・・
名前の一覧を用意してみます。
2013年4月時点で世に出ている「日本産魚類検索 全種の同定 第三版」の記載は参考として触れるに留めます。

ヨシノボリ属には「標準和名」だけが提唱され、正式な「学名」を持たない種があります。
この場合は、「属名」+「sp.」+「アルファベット2文字」を当てる事で「学名」の代わりとされています。

以下の一覧の記述方法は、「和名(学名) アルファベット2文字:2文字の詳細」とします。
また、学名のついた種には、学名に続き以前の学名を「旧:以前の学名」で記述しておきます。

ヨシノボリ属(Rhinogobius)

 01.ゴクラクハゼ(R. giurinus)
 02.カワヨシノボリ(R. flumineus)
 03.オオヨシノボリ(R. fluviatilis) 旧:R. sp. LD (Large-Dark type)
 04.クロヨシノボリ(R. brunneus) 旧:R. sp. DA (Dark type)
 05.シマヨシノボリ(R. sp. CB) CB:Cross-Band type 
 06.トウヨシノボリ(R. kurodai) 旧:R. sp. OR (ORange type)
 07.ルリヨシノボリ(R. sp. CO) CO:CObalt type
 08.ヒラヨシノボリ(R. sp. DL) DL:Depressed Large-dark type
 09.アヤヨシノボリ(R. sp. MO) MO:MOzaic type
 10.アオバラヨシノボリ(R. sp. BB) BB:Blue Belly medium-egg type
 11.キバラヨシノボリ(R. sp. YB) YB:Yellow Belly medium-egg type
 12.オガサワラヨシノボリ(R. ogasawaraensis )  旧:R. sp. BI(Bonin Island type)
 13.ビワヨシノボリ(R. sp. BW) BW:BiWa lake type
 14.トウカイヨシノボリ(R. sp. TO) TO:TOkai type
 15.シマヒレヨシノボリ(R. sp. BF) BF:Banded Fin


日本産魚類検索 全種の同定 第三版」におけるトウヨシノボリの分類

 06.a オウミヨシノボリ(R. sp. OM) 琵琶湖水系の旧トウヨシノボリ
 06.b クロダハゼ(R. kurodai) 関東平野の旧トウヨシノボリ
 06.c カズサヨシノボリ(R. sp. KZ) 房総半島丘陵部の旧トウヨシノボリ
 06.d ヨシノボリ属の1種 (R. sp. ?) 上記以外の旧トウヨシノボリ


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