紀伊國屋書店新宿南店の事実上閉店と書店業界の状況(特にジュンク堂の大型店出店ラッシュ)を取り上げた記事。
気になった箇所を抜粋すると...
「南店が出店した1996年は出版界の推定市場規模がピークを迎えた年である。それ以降、市場は下降トレンドを今も続けている。翻って、書店はその頃から大型化がどんどん進んでいった。今や1000坪の書店も珍しくない。その急先鋒が、ジュンク堂書店(現・丸善ジュンク堂書店)である。」
「一方で、ジュンク堂はこの情勢とは真逆の方向に舵を切っている。なんといっても09年に大日本印刷に買収してもらい、潤沢な資本力を得たのが要因だろう。」
「ここに挙げただけでも(丸善ジュンク堂の売り場面積は)3万坪にも上る。1000坪に100万冊という丸善京都本店の蔵書数を参考に単純計算すれば、3000万冊もの出版物の在庫が丸善ジュンク堂書店にある。」
「営業赤字体質のビジネスモデルを拡大し続けても平気とは考えにくい。大型店というビジネスモデルがすでに破たんしているのであれば、書店の大倒産時代が到来することも考えられる。
1650坪のジュンク堂書店新宿店が閉店した時、大量の返品が小零細出版社を襲った。1245坪の紀伊國屋書店新宿南店が閉店する時も、同様の影響が予想される。そして、大型店の大閉鎖の波が襲来すれば、数多くの小零細出版社が連鎖倒産するのは間違いない。紀伊國屋書店新宿南店の撤退は、その予兆といえるのではないか。」
「大型店の大閉鎖の波が襲来」しそうだという根拠はあまり書いてありませんが、もしそうなれば大きな影響が出るのでしょう。
会計的には、売上先の一部店舗が閉店したから、返品を受け入れるという点が問題になります。そもそも、出版社は売上に計上してよかったのかということです。
もちろん、現行会計基準上は、返品調整引当金を計上していればいいのでしょうが、今後検討が予定されている新しい収益認識会計基準ではどうなるのでしょうか。
当サイトの関連記事(収益認識会計基準に関するASBJの意見募集について)
論点7で、返品権付き販売を取り上げています。
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