「金融庁に設置されている企業会計審議会が会計基準の最終的な承認機関という法的な位置づけをされており、国際会計基準(IFRS)の受入れの可否を判断する権限も有するという見解があるようだが、これは誤りである。」
「金融庁は、金融商品取引法において開示される有価証券報告書等に記載する財務諸表等の作成基準を定める権限を有しており、財務諸表等規則において、企業会計審議会が答申や建議として公表した意見書による種々の会計基準を一括してGAAPに該当すると規定している。」
「しかし、この条文は企業会計審議会の公表した会計基準のみが金融商品取引法においてGAAPとなるとは言っていない。当然に、その他にもGAAPとなるものが存在する余地を示している。」
「国際会計基準(IFRS)をわが国で容認するか否かは、会計基準の作成の問題ではなく、我が国のGAAPに企業会計審議会やASBJの作成した会計基準以外に国際会計基準審議会(IASB)の作成した会計基準を加えること、あるいは代替することが適切か否かを(引用者注:金融庁が)検討することである。」
要するに、IFRS採用を決めるのは金融庁であって、企業会計審議会やASBJがどういう議論をしようが関係ないということです。たしかに、法令上はそのとおりであり、例えば、SEC登録会社が連結決算を米国基準でやることが認められるのも、連結財規93条にそう書いてあるからであり、すべて金融庁の一存で決められる話です。
それであれば、IFRSの採用も金融庁のすみやかな決断次第ということになります。この解説の執筆者の主張もそこにあるのでしょう。
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