会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

「令和2年度税制改正大綱に関する会長コメント」の公表について(日本公認会計士協会)

「令和2年度税制改正大綱に関する会長コメント」の公表について

日本公認会計士協会は、自由民主党と公明党が共同で出した「令和2年度税制改正大綱」に対する会長コメントを、2019年12月17日に公表しました。

「去る 12 月 12 日に公表された自由民主党及び公明党の「令和2年度税制改正大綱」(以下「与党大綱」といいます。)では、持続的な経済成長実現のために、デフレの脱却と経済再生、中小企業等の支援、地方創生、経済のグローバル化・デジタル化への対応等多角的多面的な税制の見直しが議論されております。」

与党の出したものなので、政府の政策に取り入れられるのだとしても、これ自体は政党の宣伝文書にすぎません。強制入会制度をとっていて、政治的な中立性が厳格に求められている日本公認会計士協会が、なぜ、政党の文書にコメントするのでしょうか。ちょっとおかしいのではないでしょうか。

コメント一覧

kaikeinews
https://www.asahi.com/topics/word/%E7%A8%8E%E5%88%B6%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E4%BC%9A.html
繰り返しになりますが、与党の税制改正大綱というのは、税制改正に関する政党の主張をまとめたものにすぎません。他方、野党も選挙のときなどに、消費税増税反対といった主張をしていました。与党の主張にはコメントし、野党の主張は無視するというのは、政治的に偏っているのではないでしょうか。

コメントの中身も、「持続的な経済成長実現のためにすばらしい大綱を決めてくださって、自民党さん、公明党さん、ありがとう」といっているように読めるものです。政治的に与党に荷担しているとみられてもしかたがないでしょう。

さらに、「党」の税制調査会の位置づけ自体が、政治的な論争のテーマです。民主党政権は、自民党のような「党」の税調が全て決めるというのはおかしい、「政府」の税調を重視すべきという考えをとっていました。会計士協会が、政府の税制改正大綱は無視し、党の大綱にはよいしょコメントを出すというのは、政府や国会で実質的に議論するよりも、「党」税調が税制をすべて決める自民党的なやり方がよいといっているようなものです。今のやり方が100%ダメということはないのかもしれませんが、政治的に中立の立場をとるべき会計士協会が、わざわざ、一方の考え方に賛成する必要はないでしょう。

政治連盟は強制加入ではないので、基本的には、政治連盟に入っている会計士が了解している範囲で政治活動をするのは自由でしょうし(政治連盟の活動に賛同できなければ入らなければよい、あるいは別に会計士の政治団体をつくればよい)、また、協会役員が個人として発言するのは自由でしょう。しかし、協会自体は、政治から中立を保つべきだと思います。

協会が税制改正にコメントしたければ、政府の大綱にコメントすればよいでしょう。また、政党の公表物と関わらせないで発信すればよいでしょう(実際に毎年協会として税制改正要望事項を出しているはず)。
名無しの会計士
これってなぜ協会を責めているんですか?協会に思うところはありますが、これについて言えば私は「政治的中立」を意識して与党の税制大綱にコメント出さないことの方が会計・税務専門家の組織としておかしいと思います。例えば政治連盟で議員を囲う会なども行われていますがどう思われていますか?あちらの方が特定の個人との関わりなのでより政治的中立を害する行為だと思います。何をもって厳格な政治的中立とおっしゃっているのかは分かりませんが、私は会計士制度がより公共の利益に資するよう政府・政党等へ提言等どんどんしていけばいいと思っています。その意味で、税制大綱への協会コメントは全くおかしくない、積極的にすべき事柄の1つだと思います。
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