会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

空売りファンドに狙われた日本企業はどう反撃する? (法と経済のジャーナルより)

空売りファンドに狙われた日本企業はどう反撃する? 相場操縦?風説の流布?信用毀損?(記事前半のみ)

空売りファンドに狙われた場合の対応について解説した記事。

「...空売りアクティビストによるレポートが相場操縦・風説の流布に該当する可能性がある場合には、証券取引等監視委員会(「SESC」)への情報提供等、SESCと連携を行うことが考えられる。しかし、空売りアクティビストによるレポートにおいて指摘される事項には、事実の指摘というよりは、会計基準の適用手法等の評価や将来の予測が多く含まれるために、後で詳細に分析するとおり、相場操縦・風説の流布に該当することの主張・立証は必ずしも容易でない

 他方で、空売りアクティビストによるレポートが説得力のないものであることを投資家に理解させることができれば、株価の下落は抑えることができると考えられる。従って、対象会社としては、レポートが提示する個別の問題点に対して丁寧に反駁し、対象会社が提示する内容の方が空売りアクティビストによるレポートよりも説得的である旨を示していくことが、基本的な対応になるものと思われる。そして、個別の事案次第ではあるが、①対象会社による説明の説得力を高めるために、中立的な第三者から構成される第三者委員会を設置して、当該委員会による調査報告を提示したり、又は中立的な第三者から分析レポート等を取得することが有益な場合もあれば、②単にプレスリリース等を通じて、空売りアクティビストによる事実認識の誤り等を指摘した上で、空売りアクティビストが空売りポジションを有しているため、対象会社の株価を下落させる強いインセンティブを有している点につき注意喚起をすれば、それで十分な場合もあると思われる。」

海外では、当局や対象会社が不適切な会計処理を認めるに至った例もあれば、逆に当局が空売りファンドのレポートを問題視したり、会社側が提訴したりする例もあるそうです。

後半では、金融商品取引法上、どのような規制に抵触する可能性があるのか、検討しています。
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