日産自動車の社内弁護士らが、ゴーン氏による不正疑惑を巡る内部調査について、利益相反の可能性があるとして懸念を示していたという記事。
「日産の法務顧問、ラビンダー・パッシ氏は、内部調査の結果について報告された9月9日の取締役会で書簡を提出し、この利益相反の問題について提起した。会合の出席者が明らかにした。
パッシ氏は書簡で「これらの件は著しい懸念を生じさせるとともに、今後問題が表面化して、会社にエクスポージャーやリスクをもたらすことになるだろう」と指摘している。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が内容を確認した。
パッシ氏や他の日産社員による懸念は、とりわけ日産のシニアバイスプレジデントで、法務部門を統括するハリ・ナダ氏と、ゴーン被告らの不正疑惑に関する内部調査を担当していた法律事務所レイサム・アンド・ワトキンスに向けられている。
関係筋によると、 ナダ氏はゴーン被告の不正疑惑を告発した日産幹部グループの一人だ。
日産の内部調査の内情に詳しい筋や検察によると、ナダ氏は、調査の対象であるゴーン被告の行動の一部についてほう助しており、検察との間で捜査に協力する見返りとして、起訴を見送る司法取引を行った。その結果、日産内では、ナダ氏は日産の法務問題に関わるべきではないとの意見が出ていたようだ。」
「レイサムは日産と長年の付き合いがあり、幹部報酬の開示など、日産の内部調査や日本の検察当局が追及している問題の一部について、助言を行っていた。内部の懸念に詳しい関係者が語った。この関係者らは、利害対立との印象を与えることさえ避けるため、これまで日産と関わりのない法律事務所を起用すべきだったと主張している。」
内部告発制度の運用もまずいようです。
「9月19日に送付されたある日産社員の書簡では、内部調査におけるナダ氏の役割は4月に縮小されたが、社内に及ぼす影響は弱まっていないとし、「彼は(部下を通じてだが)、取締役会のプロセスや活動に直接的に関与している」と指摘している。
一部の日産社員は、ガバナンス改革が停滞していることに懸念を示している。日産社員はゴーン被告の逮捕後、内部の問題について自発的に報告するよう促されているが、社内の内部告発制度を通じて問題を提起しても、取締役まで届いていないと危惧しているようだ。不満を伝える書簡の内容をWSJが確認した。
パッシ氏が取締役会に提出した書簡では、人事部が内部告発制度を通じて取締役宛てに提出された書簡の写しを収集しており、取締役の目に入る前に内容を把握することができる状況にあるとされている。パッシ氏がなぜ取締役に届けられないのかと質問すると、取締役に渡る前に、人事部の幹部が提起された問題への対応を準備できるようにするためだとの説明を受けたという。」
辞任した内部調査担当者も、利益相反のリスクを懸念していたそうです。
「パッシ氏はさらに取締役会に宛てた書簡で、内部監査・コンプライアンス(法令順守)を担当していた日産幹部のクリスティーナ・ムレイ氏が8月下旬に突然辞任した問題についても言及した。ムレイ氏の考えをよく知る関係者らによると、ムレイ氏は、ナダ氏の潜在的な利害対立のリスクを巡り懸念を示した社内弁護士の1人だ。」
日本の会社のはずなのに、登場するのが外国人ばかりというのは、少し心配になります。
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