新たな銀行資本規制「バーゼル3」の見直し作業が完了したという記事。「2008年の金融危機を教訓として議論されてきた包括的な資本規制の枠組み」とのことです。
「同委員会(バーゼル銀行監督委員会)の7日の発表によれば、最終合意されたバーゼル3は、銀行のバランスシートの透明性と健全性の向上を目指し、銀行によるモーゲージや融資、他の資産のリスク評価手法に対する新たな制限が含まれる。」
「バーゼル委は、金融危機以降に銀行の内部統計モデルが正確なリスク評価を提供できなかったことや、リスクアセット計測のばらつきへの対処を目指してきた。銀行の内部モデルによる資産リスクの計測結果が、標準的手法をどの程度まで下回ることを許容するか定めるアウトプットフロア(資本フロア)の水準については、標準的手法で算出した数字の72.5%を下回らないとする基準で最終決着した。このフロアの受け入れに当初反対していた欧州連合(EU)当局が70%を主張したのに対し、米国は80%を求め、その後75%に要求を引き下げていた。」
資料へのリンクやプレスリリースの仮訳など。
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プレス・リリース「中央銀行総裁・銀行監督当局長官はバーゼルIIIの最終化に合意」の公表について(金融庁)
日経社説で取り上げています。
時代遅れの国際金融規制は再構築がいる(日経)
「09年から続いたバーゼル3をめぐる長期交渉の最後の争点は、自己資本比率をはじくうえで分母となる、貸し出しなどリスク資産の算出方法だった。国内規制が厳しい米国が厳格な算定を主張し、硬直的だと貸し渋りを招くとして日欧が反論する構図だった。
最終的に日欧の立場を一定程度認める線で落ち着いた点は評価できよう。新規制は27年までに段階的に適用し、邦銀は追加の資本増強を回避できそうだ。
ただ、これで国際金融の安定が確保されるとは到底言いがたい。金融ビジネスには異業種の参入が加速している。銀行に的を絞った規制の枠組みは時代遅れだ。」
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