会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

IASB、退職後給付会計基準の見直しのディスカッションペーパーを公表

IASB opens discussion on proposals to increase transparency in the accounting for post-employment benefits

IASBは、 IAS 19号「従業員給付( Employee Benefits)」(日本基準でいえば退職給付会計基準です)に関するディスカッション・ペーパーを3月27日に公表しました。

IASBによれば、IAS19号にはいくつかの問題が指摘されています。

・the deferral of the recognition of gains and losses leads to misleading figures in the statement of financial position; 損益の遅延認識がミスリーディングな数値につながっている。

・the multiple options for deferring recognition lead to poor comparability across companies; 遅延認識の方法が複数あり、比較可能性が損なわれている。

・the lack of clarity in the definitions of benefit promises lead to inconsistencies and poor comparability for those benefit promises that include a promised return on contributions linked to an asset or an index; 給付義務の定義が明確でなく、資産または指数にリンクした約束された利回りを含む給付義務について、首尾一貫しておらず、比較可能性が乏しい。

・the required measurement method is inadequate for those benefit promises that include a promised return on contributions linked to an asset or an index. 資産または指数にリンクした約束された利回りを含む給付義務について、測定に関する規定が不十分である。

こうした問題に対処するためのIASBの暫定的な考え方は以下のとおりです。

The IASB’s preliminary views on how to address those main issues are:

・to remove the options for deferred recognition of gains and losses in defined benefit plans (確定給付制度における損益の遅延認識の廃止)

・to introduce a new classification of benefit promises into contribution-based promises and defined benefit promises, with a new measurement attribute for contribution-based promises(給付義務を、拠出を基礎とする給付義務と、確定給付義務に分類し、拠出を基礎とする給付義務について、新たな測定方法を導入する。)

後者はいわゆるキャッシュ・バランス・プランをターゲットにしているようですが、このあたりはよくわからないので、専門家に聞いて下さい。

もちろん、遅延認識の廃止も大問題です。

キャッシュバランスプラン~新しいタイプの企業年金~

日本のASBJも、コンバージェンスを目標としているので、国際会計基準が改正されれば、同じ方向に進む可能性が高いと思います。
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