破綻直前、元社長の法人がタックスヘイブンに
商工ローン大手SFCG創業者(破産)の会社が、タックスヘイブンに何社もあることがわかったという記事。その多くは破産管財人が知らなかった法人だそうです。
「かつて高金利と強引な取り立てが社会問題化し、5400億円の負債を抱えて2009年2月に破綻した商工ローン大手SFCG(旧商工ファンド)。創業者の大島健伸氏は、親族会社などに400億円を流出させたとして資産隠しの容疑に問われたものの、無罪になった。結局、資金の流れの大半は解明できないままだ。
突然の破綻から十年以上を経た今年10月、共同通信が参加する国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が入手した「パンドラ文書」は、大島氏が破綻直前にタックスヘイブン(租税回避地)の法人を介し、巨額融資契約を結んでいたことを明らかにした。」
「パンドラ文書の記録から判明したのは、大島氏がSFCGの破綻直前を含め、複数の法人を相次いで租税回避地に設立した軌跡だ。カリブ海のバハマやパナマなどで大島氏を実質的所有者とする、少なくとも7法人が確認できた。
うち09年1月にパナマに設立された「カルウッド・オーバーシーズ」は、翌2月には英領バージン諸島の法人「ウォーターフォード・ヨーロッパ」から6億円の融資を受ける契約を結んでいた。
カルウッド社設立に関与した法律事務所の資料には、「私が実質的な所有者」と認める大島氏の署名付き文書が含まれていた。さらに、別の資料にはウォーターフォード社の実質的所有者として大島氏の親族が記載されている。
7法人中6法人は、破産管財人の調査では把握されていなかった。」
ラオスでも、親族の名前で新事業を始めているそうです。
「大島氏は、日本での破産手続きの最中も裁判所に申請してラオスに出張していたことが確認されている。債権者との資産回収を巡る協議が難航している間にラオスで新規事業を始めていた可能性がある。ただ、ラルコの事業資金源は不明だ。」
パンドラ文書で名前が出てきたものの、資産隠しの確たる証拠はみつかっていないそうです。
「租税回避地を通じた資金移動と、ラオスでの新事業の資金源。いずれも断片的な情報であり、資産隠しがあったのかどうかは分からない。」
(電子書籍版)
「大島が一代で築き上げたSFCG(旧商工ファンド)が経営破綻したのは2009年2月のことである。当時の公表額だけでも負債は3380億円に上った。SFCGの資金繰りが綱渡りの状態に陥っていた最中、大島は自らの報酬を月額2000万円から9700万円へと大幅に引き上げている。混乱するばかりだった現場で呻吟する従業員を尻目に、倒産間際の会社からひと月に1億円近い報酬を受け取ることができる神経は並大抵の図太さではない。」(宣伝文より)
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