ルネサスエレクトロニクスが、税金問題で海外企業へのTOBを中止したという記事。
「ルネサスエレクトロニクスは23日、仏半導体のシーカンス・コミュニケーションズに実施予定だったTOB(株式公開買い付け)を中止したと発表した。2月15日に日本の国税庁から買収が所得税の課税対象となる通知を受領した。ルネサスは買収発表時には想定していなかった税負担が生じると判断して、シーカンス買収そのものを取りやめてTOBも中止した。」
「所得税の課税対象」というのはたぶんまちがいです。会社のプレスリリースで参照されている租税特別措置法の条文は「法人税法の特例」の章に規定されています。
会社のプレスリリース。公開買い付けの基本合意書で、国税局から課税所得の計上・納税が必要となるとの回答があった場合は、解除できるという条項が設けられていたようです。
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ルネサスがシーカンスの買収に関する基本合意書の解除および公開買付けの終了を発表(ルネサスエレクトロニクス)
「本基本合意書に規定された組織再編を実施した場合に、日本の租税特別措置法第66条の6に基づき、課税所得の計上および納税が必要となる旨の日本の国税庁の回答(日本税務に関する不利益裁定)をルネサスが受けた場合、ルネサスまたはシーカンスのいずれも本基本合意書を解除できると、本基本合意書で定めています。2024年2月15日に、ルネサスは日本の国税庁から、日本税務に関する不利益裁定を受領しました。その結果、ルネサスは、本基本合意書に基づく解除権を行使し、本基本合意書を解除しました。これにより、本公開買付けも終了しました。
本基本合意書の解除および本公開買付けの終了により、シーカンスの普通株式およびADSのルネサスによる買取りは行われず、本公開買付けに過去に応募され、撤回されていない普通株式およびADSは、直ちに返還されます。」
この制度のことでしょうか。
外国子会社合算税制の概要(財務省)