最近の監査人交代事例です(2023年5月23日発表分)。
1.田中精密工業(東証スタンダード)
会計監査人の異動に関するお知らせ(PDFファイル)
あずさ→アーク有限責任監査法人、の交代です。
監査報酬や継続年数を理由に挙げています。
「今後の監査報酬の動向及び上場以来監査継続年数が長期にわたることも勘案し、他の監査法人と比較検討を行ってまいりました。」
現監査人の就任年は、2001 年です。
2.雪国まいたけ(東証プライム)
公認会計士等の異動に関するお知らせ(PDFファイル)
あらた→新日本、の交代です。
会計監査人の統一です。
「コーポレート・ガバナンスの強化及び監査の効率性の向上を図るため、親会社である株式会社神明ホールディングスと会計監査人を統一することとし、EY 新日本有限責任監査法人を新たな会計監査人に選任するものであります。」
現監査人の就任年は、2016 年です。
3.SMC(東証プライム)
公認会計士等の異動に関するお知らせ(PDFファイル)
清陽監査法人→新日本、の交代です。
「監査継続年数が長期に及ぶことも踏まえ、当社の事業内容に適した監査対応及び業務拡大を想定したうえで、会計監査人の見直しを検討しました。」
現会計監査人を含む複数の監査法人から提案を受け、検討したそうです。
現監査人の就任年は、2011年ですが、前身である公認会計士桜友共同事務所の就任は、1985 年だそうです。
当サイトの関連記事(2019年)(SMCなどを取り上げた報道(ただし主にふれているのはキーエンス)について)(SMCはIRに関する「頑固3兄弟」の1社だそうです。)
その2(2016年)(カラ売り会社の標的になったこともありました。)
4.日本製罐(東証スタンダード)
会計監査人の異動に関するお知らせ(PDFファイル)
Mooreみらい監査法人→東邦監査法人、の交代です。
監査対応や監査費用を理由に挙げています。
現監査人の就任年は、2019年です。
5.HS ホールディングス(東証スタンダード)
会計監査人の異動に関するお知らせ(PDFファイル)
RSM清和監査法人→有限責任中部総合監査法人、の交代です。
「同監査法人による継続監査期間が長期にわたっていること、並びに当社の事業規模に見合った監査対応および監査費用の相当性等について総合的に勘案した結果」とのことです。
現監査人の就任年は、2008 年です。
6.細谷火工(東証スタンダード)
公認会計士等の異動に関するお知らせ(PDFファイル)
公認会計士3名→虎ノ門有限責任監査法人、の交代です。
監査継続年数を考慮したとのことです。
「監査役会は、現会計監査人の監査継続年数を考慮し、虎ノ門有限責任監査法人を起用することにより、新たな視点での
監査が期待できることに加え、上記 3.に記載した理由により新たに会計監査人として虎ノ門有限責任監査法人を選任するものであります。 」
「監査役会が虎ノ門有限責任監査法人を会計監査人の候補者とした理由は、同監査法人の品質管理体制、 独立性、専門性、監査体制及び監査報酬の水準等を総合的に勘案した結果、当社の会計監査人として適任 であると判断したためであります。」
現監査人の就任年は、平成 30 年(1名)と平成28年(2名)です。
上場会社監査事務所の登録制度が法令化され、金融庁(下請けで会計士協会)のチェックも厳しくなるでしょうから、個人の会計士事務所では難しくなりつつあるのでしょう。