加ト吉が、2008年3月期の連結決算見通しについて、売上高を3030億円から2154億円に、営業利益を従来予想の133億円から54億円に大幅下方修正したという記事。
「連結子会社4社を持分法適用会社に異動した」影響が大きいようです。
「異動した子会社はキング食品、新日本グローバル、ハブ、大冷の4社で、いずれも議決権の所有割合が50%以下であるほか、取引も減少しており、財務諸表等規則に規定する支配力基準に基づいて、監査法人と協議したうえで持分法適用会社に異動した。」
11月3日の日経記事によれば、前社長らが役員を兼任していたため支配力を持っていたが、不正経理問題で退任したため、影響力が下がったと判断したようです。また、11月5日の日経産業新聞によると、会社のIR担当者は「前経営陣と(当時の)監査法人による支配権の判断基準が甘かった」といっており、記事では「本来連結対象(と)すべきでない関連会社の収益まで反映させたとみられる」と決めつけています。
支配力基準は連結外しを防止するために導入されたといわれていますが、判断を要する部分も大きいので、会社の業績を大きく見せようと連結範囲を広くするよう解釈するリスクは大いにあります。純利益までいけば同じことなのですが・・・。
子会社の異動ならびに業績予想の修正に関するお知らせ(PDFファイル)
会社のプレスリリースを見ると、今回連結から外した会社は42~50%を加ト吉が保有しており、他に支配株主がいなければ、子会社としてもおかしくはないように思われます。
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