会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

虚偽内容の公正証書、不当な強制執行相次ぐ…詐欺グループが凍結口座の詐取金回収狙った例も(読売より)

虚偽内容の公正証書、不当な強制執行相次ぐ…詐欺グループが凍結口座の詐取金回収狙った例も

詐欺グループの凍結された銀行口座に、虚偽の公正証書を使った不当な強制執行が図られたケースが複数あるという記事。凍結口座のカネを詐欺グループが回収しようとしていたようです。その分、被害者に回るカネが減ってしまう可能性がありました。

2018年3月に大阪地裁判決が出た事案では...

「凍結された口座は、詐欺グループが管理する法人名義のものだった。無登録でFX取引への出資を募った事件として警察の捜査が進み、振り込め詐欺救済法に基づいて取引が停止された。

しかし、法人の顧客が「約3億円を法人に貸し付けた」とする公正証書を作成し、裁判所を通じて強制執行をかけたため、被害者側が「犯行グループが口座から不正に資金を引き出すため、虚偽の公正証書を作らせた」として提訴した。

訴訟では、詐欺グループに協力する元弁護士凍結口座から資金を回収するために偽の公正証書を使う計画を策定していたことが判明。大阪地裁判決は「3億円の貸し付け」は虚偽だと認定し、強制執行を無効と結論付けた。」

犯罪行為に加担する専門家もいるようです。

弁護士のコメントによると、「こうしたケースは氷山の一角の可能性がある」のだそうです。

「被害者側代理人を務めた弁護士の一人は「犯罪者はウソをついて口座の資金回収を図ってくるが、被害者が資料をそろえて止めるには時間と労力がかかる」と語り、「被害者以外の第三者が凍結口座に強制執行をかけた時は、慎重に審査する仕組みが必要ではないか」と話した。」

支払督促の制度の悪用もあるそうです。

「凍結口座からの資金引き出しを巡っては、強制執行をかける根拠として裁判所の書面が悪用されるケースも発覚している。東京都内のコンサルティング会社が昨年、ベトナム人3人に「金を貸した」とうそをつき、裁判所に支払い督促の書面を発行させ、強制執行をかけていた

東京都立大の星周一郎教授(刑事法)は「被害を止めたはずの資金が犯罪グループに流れれば、公証制度や裁判所への信頼が損なわれる深刻な事態を招く」と警告。「凍結口座の資金は犯罪収益の可能性が高いことを前提に、被害者以外からの強制執行に応じるか、被害救済の観点から慎重に見極めできる対策が必要だ」としている。」

コンサル会社(債権者とされる側)とベトナム人(債務者とされる側)が共謀していれば、裁判所をだますのは簡単なのでしょう。ひどいコンサル会社もあるものです。

現状では、犯罪被害者の金銭的利益を守る制度が、貧弱なようです。また、記事で取り上げているような不正が横行しているとすると、いくら犯罪を摘発しても、犯罪グループは、目的である金銭を取得することができてしまいます。

ミャンマー詐欺拠点に日本人2人いる可能性 解放へ協力要請(NHK)

「タイとの国境近くにあるミャンマー東部の複数の犯罪拠点では、多くの外国人が特殊詐欺に加担させられていて、1月と2月には拠点で働かされていたとみられる日本人の男子高校生2人がタイ当局に相次いで保護され、日本に帰国しています。

関係者によりますと、これとは別に特殊詐欺の犯罪拠点に日本人の成人男性2人がいる可能性が高いとして、日本側がタイ当局に対し2人の解放に向けた協力を要請していることが新たにわかりました。」

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