最近の監査人交代事例です(2025年2月21日発表分)。あずさが2社、新日本が1社退任します。
1.ピアラ(東証スタンダード)
公認会計士等の異動に関するお知らせ(PDFファイル)
あずさ→東光監査法人、の交代です。
「これまでの監査報酬が増加傾向にあり、今後もその増加が見込まれることから、当社の業務内容や事業規模に見合った監査対応及び監査報酬の相当性を総合的に勘案した結果」とのことです。
東光監査法人を選んだ理由。
「監査役会が、東光監査法人を公認会計士等の候補者とした理由は、東光監査法人を起用することにより、新たな視点の監査が期待できることに加え、同監査法人の専門性、独立性、適切性、品質管理体制及び監査報酬の水準等について監査役会が総合的に検討を行った結果、適任であると判断したためであります。」
現監査人の就任年は、2016年です。
2.モダリス(東証グロース)
公認会計士等の異動に関するお知らせ(PDFファイル)
あずさ→アルファ監査法人(あずさ出身のパートナーが多いようです)、の交代です。
「当社の事業規模に適した監査対応と監査報酬水準の相当性を総合的に検討した結果」とのことです。
アルファ監査法人を選んだ理由。
「監査等委員会がアルファ監査法人を会計監査人の候補者とした理由は、新たな視点での監査が期待できることに加え、当社の事業規模に適した監査対応と監査費用であること、会計監査人としての品質管理体制・専門性・独立性・監査実績等を総合的に勘案した結果、適任であると判断したためであります。」
現監査人の就任年は、2018 年です。
3.千趣会(東証スタンダード)
公認会計士等の異動に関するお知らせ(PDFファイル)
新日本→監査法人和宏事務所、の交代です。
異動の理由。
「EY 新日本有限責任監査法人は、会計監査が適正かつ妥当に行われることを確保する体制を十分に備えており、これまでも当社と同法人間で協力的な関係を構築しながら会計監査を実施していただいておりましたが、今後の監査体制に関する同法人との協議を踏まえて、国内通信販売事業を主とする当社の事業環境により適すると考えられる複数の監査法人と比較検討した結果、上記3に記載の理由により、新たに監査法人和宏事務所を会計監査人として選任するものであります。」
「協力的な関係を構築しながら会計監査を実施していただいておりました」とわざわざ書くのも珍しいように思われます。また、「国内通信販売事業を主とする当社の事業環境」という箇所は、国際的なビッグ4事務所でなくてもよいという趣旨でしょうか。
監査法人和宏事務所を選んだ理由。
「監査役会が監査法人和宏事務所を会計監査人の候補者とした理由は、監査法人和宏事務所が当社の会計監査人に求められる専門性、監査品質、ならびに独立性等を有し、監査業務の実施体制及び監査報酬の水準等が監査の適切性を十分に担保するかを総合的に勘案した結果、当社主力の通信販売事業の理解に相応の深度を有しており、当社の会計監査が適正かつ妥当に行われることを確保する体制を備えていると判断したためであります。」
現監査人の就任年は、1981 年です。継続年数がかなり長いですが、交代理由には、あえて、そのことにはふれていません(報酬が合意できれば「協力的な関係」を継続したかった?)。