中国人民銀行が、暗号資産関連のサービスを全面的に禁止するという記事。
「中国人民銀行(中央銀行)は24日、暗号資産(仮想通貨)の決済や取引情報の提供など関連サービスを全面的に禁止すると発表した。違法な金融活動と位置づけ、刑事責任も追及する。海外の取引所がインターネットを介して中国国内でサービスを提供することも違法とする。」
禁止の理由は...
「人民銀行は仮想通貨の投機的な取引が「経済や金融の秩序を乱し、資金洗浄(マネーロンダリング)や違法な資金調達、詐欺行為を引き起こしている」と指摘した。
通知は代表的な仮想通貨であるビットコインなどを例に挙げ「法定通貨と同等の法的地位を有していない」と定義し、「通貨として市場で流通、使用させることはできない」と強調した。」
仮想通貨のマイニングも規制強化するそうです。
「国家発展改革委員会なども同日、仮想通貨のマイニング(採掘)事業の規制強化策を発表した。新規事業を禁じるほか、既存プロジェクトの撤退も加速させる。マイニング事業者の電力調達を封じるほか、金融や税財政による事業支援も認めない。」
来年、デジタル人民元を発行する予定であることも関係しているそうです。
専門家によると、市場への影響は限定的だそうですが...
暗号資産の全面禁止、中国当局を動かした「思想」 専門家はこうみる(朝日)
「――発表を受け、暗号資産は軒並み急落しました。
「人民元から代表的な暗号資産であるビットコインへの流入額は少なく、影響は限定的とみている。また、新型コロナ下では大規模な金融緩和で余った資金が暗号資産市場にも流入した。米国を中心に機関投資家の大口取引が多くなっており、これも幸いして市場に壊滅的な影響は与えないと考えている」
――今後の懸念は。
「中国は今のところ暗号資産で国際的な主導権(イニシアチブ)をとる国ではないので、市場の動揺も限定的だ。最も注目すべきは、中国の規制の考え方がほかの国にも受け入れられるかどうかだ。例えば、欧州は環境問題など世界的な規制のイニシアチブをとるのがうまいと言われている。こうした国、地域で規制の動きが出始めたら大きなインパクトになるだろう」」
マネーロンダリング、仮想通貨を巡る詐欺的取引、マイニングの環境への悪影響などは、中国だけの問題ではないでしょう。
日本の金融庁の審議会でも、暗号資産・デジタル通貨に関する研究会が設けられたり、「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関する国際的な要請やデジタル化の進展等を踏まえ、安定的かつ効率的な資金決済に関する制度のあり方について検討を行うこと」が諮問されたりしています。
(補足)
中国規制当局による仮想通貨関連取引禁止、今回は本気か(ブルームバーグ)
「PwCの仮想通貨リーダーでパートナーのヘンリ・アルスラニアン氏はツイッターで、「中国は過去に何度も仮想通貨を『禁止』してきたため驚きではないが、今回は全く曖昧さがない」と指摘。「中国ではあらゆる種類の仮想通貨取引と仮想通貨サービスが禁止された。議論の余地はなく、グレーな部分はない」と付け加えた。」
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