中国恒大集団が、グループ内の不適切な資金流用に関する調査結果を公表したという記事。
内部統制に問題があったとされています。
どのような不正だったのか。
「中国恒大は傘下の不動産管理会社、恒大物業集団が担保に入れていた合計約134億元(約2600億円)が銀行に強制執行されたことを公表していた。銀行が動いた背景に、中国恒大への不適切な資金回流があったとして独立委員会が調査を進めていた。」
「不正に至る事態は、20年12月中旬から下旬にかけて中国恒大内で立ち上がった「特別プロジェクト」が発端となったとした。特別プロジェクトに基づき、恒大物業の関連会社が預金を担保に入れることで「第三者企業」が金融機関から借り入れ、さらに「パイプライン企業」を通じて中国恒大に資金を流していたという。
20年夏には中国人民銀行(中央銀行)が大手不動産に対し、守るべき財務指針「3つのレッドライン」を設けると通達したとされる。財務状況によって金融機関などからの借り入れ規模を制限する方策だ。こうしたなか中国恒大は借り換えなどが難しくなり、ルールをかいくぐるために複数社を介した資金の確保に走った可能性がある。」
実質的には、グループ会社の預金を、中国恒大集団が流用していたということになるのでしょう。グループ内の会社とはいえ、債権者の構成は違うでしょうから、勝手に資金を流用するのは違法でしょう。「第三者企業」をトンネルにしているのもあやしい。簿外で巨額資金が流れていたとすると、どんな操作でもできそうです。
(監査手続的には、預金は担保に供されていないか要チェックということでしょうか。)
当サイトの関連記事(PwCが中国恒大集団の監査人を辞任したという報道について)