相続税課税強化を前に、個人の節税対策として賃貸物件の建設が急増しているという記事。
「国土交通省によると、平成25年度の新設住宅着工戸数は前年度比10.6%増の約98万7千戸で、うち賃貸物件は15.3%増の約37万戸。持ち家などは消費税増税の駆け込み需要の反動による減少でマイナスが続くが、賃貸物件は5月まで15カ月連続のプラス。当面この基調が続くとみられる。
背景にあるのは相続税の節税対策だ。来年1月から基礎控除額が4割、引き下げられて課税範囲が広がる。死亡者のうち相続税の対象となるのは、現在の年間約5万人から1.5~2倍に増えるとみられている。ただ遺産が土地に建てられた賃貸住宅だと、入居者の借地権などが資産評価から差し引かれ、相続税の評価額が大きく下がる。賃貸物件の建設が都市部を中心に急増しているのはこのためだ。」
「空室率は過疎化の進む地方だけでなく、都心でも新築物件の供給過多で増える傾向にある。入居者が集まらなければ建設資金を融資した金融機関の経営も揺らぎかねない。」
節税として意味がないとは言いませんが、空家となるようなアパートを建てて、財産自体を目減りさせては本末転倒です。バブルのときには同じような節税対策が失敗し問題となるケースが多発したようです。
税理士・会計士は行き過ぎた節税対策のお先棒を担ぐようなことがないようにしたいものです。
また、長期の家賃保証を売り物にしている住宅メーカーなどもあるようですが、リスクに備えた会計処理は行われているのでしょうか。
供給過剰で空き家数、率とも最高 820万戸、総数の13・5%(共同)
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