米SECによるE&Yの処分(昨日取り上げました)と、カナダのDeloitte & Touche がPhilip Services Corpというカナダの廃棄物管理会社の監査をめぐる裁判の和解金として5000万ドルを支払うことを伝える記事。
E&Yの処分については昨日の記事より少し詳しく書かれています。
In announcing the censure, the SEC alleged that E&Y auditors failed to make an independent review of PNC's accounting, separate from the accounting firm's advice to AIG when it was helping develop the product, and that as a result of faulty accounting for the transactions, PNC was forced to restate nearly $155 million in earnings.
E&Yが監査していたPNCという地方銀行は、保険会社AIGの開発した金融商品を使って、7億6200万ドルの不良資産をオフバランス化し、これにより利益を水増ししていました(あとで1億5500万ドル近くの修正を行っている)。ところが、E&Yは、AIGがこの金融商品を開発するのを助言していました。本来PNCの監査チームは、PNCの会計処理を独立した立場で検討しなければならなかったのに、そうしなかったことが処分の理由になっているようです。
会計事務所が金融機関による(建前は違っていたのかもしれませんが)粉飾目的の金融商品の開発に協力したことにより、監査関与先がその金融商品を利用して粉飾しようとしたときに、止めることができなかったという事件です。
最近の「会計監査・保証業務」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
2000年
人気記事