会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

東芝株を15日付で監理銘柄(審査中)に指定=東証(ロイターより)

東芝株を15日付で監理銘柄(審査中)に指定=東証

東証が東芝株を監理銘柄に指定したという記事。

「東京証券取引所は14日、東芝(6502.T)株を15日から監理銘柄(審査中)に指定すると発表した。不正会計問題を受け、特設注意市場銘柄に指定されてから1年半が経過したため。東証は今後、東芝から提出される内部管理体制確認書に基づき、上場維持の可否を審査する。問題があると東証が認めた場合は、東芝株は上場廃止となる。

審査期間は決められていない。監理銘柄の指定期間も、上場廃止基準に該当するかどうかを東証が認定した日までとしている。審査を通じ、内部管理体制に改善の見込みがないと東証が判断した場合、東芝株は整理銘柄入りとなり、1カ月後に上場廃止となる。東証が問題がないと判断すれば、今回の監理銘柄の指定は解除される。」

これとは別に、今後、四半期報告書の提出期限(4月11日までの延長が認められた)に間に合わなかった場合にも、監理銘柄(確認中)となり、その8営業日後までに報告書の提出がなされなければ、整理銘柄入りし、1カ月後に上場廃止となるそうです。

東芝については、前者のケースがいままで問題になっていましたが、度重なる決算発表延期で、後者のケースも懸念されます。

会社の説明によれば、監査人の四半期レビュー手続未了も遅延の理由となっています。内部統制の追加調査も監査人が要求しているのでしょう。このままいつまでも決算が確定しないようだと、監査人であるあらた監査法人は「東芝を上場廃止に追い込んだ監査法人」ということになりそうです。しかし、かりにそうだとしても、手続き未了では報告書は出せない(あえて出すとすれば重要性により限定付か意見(結論)不表明)という原則は最後まで貫いてほしいものです。

監理銘柄(審査中)の指定:(株)東芝(東証)

「なお、本件監理銘柄(審査中)指定は、同社の平成29年3月期第3四半期報告書が本日までに提出されなかったことを理由として実施するものではありません。」という注意書きをわざわざつけています。

(補足)

その他東芝関連記事。

半ば茫然...この危機的状況で東芝が描いた「バラ色の未来」(現代ビジネス)

「東芝は非連結化、と簡単に言うが、ではどうやって「非連結化」するのか。

資料では、WHのマジョリティを売却することなどを考えているとしている。だが、そんな問題事業を引き取ってくれるところがあるのなら、こんな断末魔に追い込まれる前に売却していたに違いない。

買い手を見つけるには、損失の額を確定し、WHの企業価値から損失額を引いた額をはじき出す必要がある。7125億円というのが本当に最終的な損失額なのか、おそらく東芝の経営陣にも確信はない。完成していない原発のコストなのだから、いくら保守的に見積もったからといって、完成までにどんな費用負担が生じるか分からない。そうしたリスクを肩代わりしてくれる企業が現れるのかどうか。」

東芝「法的整理」も視野:「奇策」に溺れた米国での「最終工程」徹底検証(フォーサイト)

「こうした惨状を考えると、子会社WHだけでなく、もはや東芝本体の法的処理を検討すべき時期に来ていると言わざるを得ない。「福島原発事故の廃炉処理事業に関わる東芝を倒産させてはならない」との正論めいた主張をよく耳にするが、会社更生法や民事再生法といった法的処理は会社を消滅させはしない。法的処理で大きな被害を受けるのは債権をカットされる金融機関であり、東芝クラスの案件になると、その金額は数百億円に達する可能性もある。しかし、粉飾事件後も長年の馴れ合い関係が解消せず、相変わらずガバナンスが不完全だった東芝の経営体制を看過してきた主力銀行の「貸し手責任」も重い。」

ひねり出した「新生東芝」という絵空事
原発リスク遮断の道筋は示されず
(日経ビジネス)

素人考えにすぎませんが、原発リスクを遮断する最終的な方法としては、東芝の各事業をすみやかに分社化し、東芝を持株会社にしたうえで、持株会社を法的整理することしかないでしょう。それにより、事業と取引先と雇用を守ることができます。持株会社の法的整理は、急ぐ必要はなく、WHの状況を見て最終決断すればいいでしょう。会社説明どおり、原発工事が順調に進み、これ以上の損失が出ずに、法的整理しなくてもよくなれば儲けものです。分社化した各会社は、それまでに、これもWHの状況を見ながら、徐々に売却していって、持株会社法的整理の影響を最小限にします。

(補足2)

東芝、東証に管理改善策を再提出 WH見直し明記(ロイター)

内部管理体制確認書の提出に関するお知らせ(東芝)(PDFファイル)

(補足3)

<東芝>銀行に新担保提供へ 半導体新会社株、融資継続求め(Yahoo)(毎日新聞配信)

「関係者によると、東芝は会合冒頭で、決算の再延期による混乱を謝罪し、再延期に至った経緯などを説明した。その上で半導体新会社の株式や、保有する不動産、グループ会社株式などを担保として差し出すことを提案し、融資継続を要請した。

三井住友、みずほ、三井住友信託の主力3行は、その場で融資継続の意向を示した。しかし、東芝に不信感を強めている地銀などからは、「担保設定が主力行に有利になっており不公平」などと不満が相次ぎ、会合は予定の1時間を40分も上回ったという。」
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