会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

ホンダと日産が経営統合へ協議、三菱自動車の合流も視野に…不安要素は「日産の経営状態」(読売より)

ホンダと日産が経営統合へ協議、三菱自動車の合流も視野に…不安要素は「日産の経営状態」

ホンダと日産が経営統合に向けて協議を行っているという記事。三菱自動車も合流するようです。

「ホンダと日産自動車が、経営統合に向けて協議していることが18日、わかった。両社が傘下に入る持ち株会社の設立を検討し、日産が筆頭株主となっている三菱自動車の合流も視野に入れる。実現すれば世界販売台数で3位の自動車グループが誕生する。米中新興メーカーの台頭で電気自動車(EV)などの開発・販売競争が激化しており、統合によって経営の効率を高める狙いがある。」

「ただ、統合に向けた不安要素は日産の経営状態だ。24年9月中間連結決算は、世界的な販売不振で最終利益が前年同期比9割減に落ち込み、9000人の人員削減といったリストラ策を策定している。持ち株会社の出資比率や投資負担を巡る協議が難航する恐れもある。」

これだけの巨大統合となると、監査法人業界への影響も気になります。

日産と三菱の監査人は新日本です。

まず、日産の有報(2024年3月期)で、会計監査の状況(一部のみ)をみてみると...

約10億円の報酬です。

三菱自動車も見てみると(報酬のみ)...

こちらは約4億円です。

合計で、約14億円であり、これが、仮にホンダの監査人であるあずさに交代するとなると、それなりの減収です。しかし、監査法人(売上1000億円超)の経営を揺るがすほどではないでしょう。ちなみに、ホンダの監査報酬は、子会社含めて約10億円です。

ホンダ、日産の経営統合自体は、たぶん、経産省や銀行の口車に乗せられた計画でしょうから、統合してもうまくいかない可能性がありそうです。

また、日産の方は、統合前にバランスシートをきれいにしておくよう要求されるでしょうから、それが決算にどういう影響を与えるのか...。統合話がなくても、世界生産2割減 9000人削減となれば、無傷ではいられません。

ついでに、有報記載もれとされたゴーン氏への退職後報酬(100億円超)が、統合時に負債計上されるのか、も気になります(確定債務であれば計上されているはず)。あずさも引き継ぎポイントの一つとして、最重要ではないにしても、一応見るでしょう。

ホンダ・日産が経営統合へ 鴻海による買収回避へ決断(日経)(記事冒頭のみ)

本日の一部報道について(日産自動車)(PDFファイル)

「本日、当社と本田技研工業株式会社(以下「Honda」という。)、三菱自動車工業株式会社(以下「MMC」という。)が経営統合向けた協議に入るという一部報道がありましたが、本件は、当社が発表したものではありません。

本年3月及び8月に発表したとおり、当社と Honda 、MMC は、各社の強みを持ち合い、将来的な協業について、報道の内容を含め様々な検討を行っていますが、現在決まっていることはありません。

更新情報があれば、適切な時期に、ステークホルダーの皆様にお知らせします。 」

三菱やホンダのリリースも同様の内容です。

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