会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

コラム:第一三共が日本の海外M&Aに与えた教訓(ロイターより)

コラム:第一三共が日本の海外M&Aに与えた教訓

第一三共がインドの子会社を同国の同業他社に譲渡することになったという記事。

「第一三共・・・は、海外での冒険に潜む危険を日本企業に思い知らせた。同社は、問題を抱えたインドの子会社ランバクシー・ラボラトリーズ(RANB.NS: 株価, 企業情報, レポート)の経営権を同国の同業サン・ファーマシューティカル・インダストリーズ・・・に32億ドルで譲渡することにした。第一三共のランバクシーへの投資は、6年でほぼ40%減価した。」

「・・・ランバクシーをサン・ファーマに譲渡するのは最善の選択だろう。それでも財務的には痛手だ。株式交換比率をもとに計算すると、第一三共のランバクシー持ち分は約1230億ルピー(20億4000万ドル)と、6年前の取得額を38%下回る。米ドルに換算すると、投資損失はさらに大きくなる。第一三共は、サン・ファーマに、直近の召喚状に関連する費用は補償することにしていることから、損失はさらに膨らむ。第一三共は、ランバクシーを吸収した新生サン・ファーマ株式を9%取得するが、当初の投資を回収するには、新会社が劇的な成長を遂げる必要がある。」

投資後の為替レート変動の影響もありそうです。

第一三共が印子会社ランバクシー売却へ、後発薬と新薬の両輪は推進(ロイター)

サン・ファーマと当社子会社のランバクシーの合併に関するお知らせ(第一三共)

譲渡といっても、サン・ファーマによって子会社が「合併」される(子会社の株式がサン・ファーマの株式に交換される)という取引です。

「本件による、当社の業績への影響は、詳細が確定し次第、速やかにお知らせいたします」ということで、影響はまだ不明ですが、損失が出る場合には、2014年3月期に反映させることになるのでしょう。

(補足)

こちらの記事によれば、すでに大きな減損処理を実施済みなので、新たな損失はなさそうです。(会社からの発表がないと確実なところはわかりませんが)

第一三共が問題のインド子会社を実質売却(東洋経済)
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