会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

加速化する会計基準の国際的コンバージェンス

会計・監査ジャーナル(日本公認会計士協会機関誌)の7月号にIASB理事山田氏による「加速化する会計基準の国際的コンバージェンス」という論説が載っています。

「現在の日本基準に代えてIFRSの日本語版を日本基準として採用することを真剣に考えるべきときが来ている」という結論ですが、その論拠のひとつとして「XBRLのインパクト」についてふれているのが気になりました。

「国際的な比較を有効に行うためには、分析の対象となる財務諸表がすべてIFRSに基づいている必要があり、XBRLのような技術の発展が会計基準の標準化の必要性を一層高めている。もし、日本企業の財務諸表がIFRSのタクソノミーに準拠して作成されていなければ、投資家の比較対象として取り上げられないおそれもある。」

金融庁のEDINETで採用されているXBRLでも、英語の科目名が付けられていますが、それはあくまで日本基準の体系における科目であり、IFRSとの関連性はありません。例えば、同じ売上高でも、収益認識の会計基準が異なれば、厳密にいうと別の科目であり、比較できないということになります。タクソノミーの上でも、IFRSの体系とはまったく別のものになっていると聞きます。

XBRL化すれば、瞬時に財務データを取り込むことができ、世界中の会社と比較分析できるというのが、XBRLの売り物となっていますが、実際にそうなるためには、まだハードルがありそうです。どこかの会社が、EDINETのXBRLデータをIFRSのXBRLデータに簡便的に転換するようなシステムを作れば、厳密性にはかけるとはいえ、ある程度解決するのかもしれませんが・・・。
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