「金融検査マニュアル」を抜本的に見直す報告書を金融庁の有識者会議が出したという記事。
「17日まとまった報告書によりますと、金融機関に対する検査では、金融機関が担保をとって融資しているかどうかではなく、企業の将来性を見ているかどうかを重視すべきだとしています。
また、人口の減少や、低金利などで金融機関の経営環境が厳しさを増していくという見方から、報告書では、各金融機関の将来に向けたビジネスモデルや経営管理体制などに根本的な問題がないかに、着目すべきだとしています。」
効果的な金融機関の検査・監督へ、金融庁は組織再編を=報告書(ロイター)
「今回の報告書では、金融機関による規制の順守状況や、財務の健全性確認に重点を置く検査・監督から脱却し、1)金融機関が顧客に良質なサービスを提供しているかを見極めること、2)将来に向けたビジネスモデルの持続可能性の対話に重点を置くこと──などが必要と指摘した。
財務状況が悪化した金融機関に経営改善を促す早期警戒制度の運用を改めることや、金融検査マニュアルと監督指針を一本化し、金融庁が形式的な検査・監督から脱するよう求めた。
報告書は、マーケットやマクロ経済の動向が持つリスクを適切に捉えつつ、相場の変動リスクが金融システムに及ぼす影響を見極めて検査・監督に生かす「マクロ・プルーデンス」の強化も提言。あわせて、日銀とのさらなる連携も必要だとした。
環境変化に合わせた検査・監督体制を機能させるため、組織改革や人材育成の必要性にも踏み込んだ。」
処分庁から育成庁へ、金融行政を刷新 有識者会議が報告書(日経)
この報告書のことのようです。
金融モニタリング有識者会議報告書の公表について(金融庁)
「金融行政の役割は、こうした「市場の失敗」に対応していくことであるが、仮に市場の失敗に効果的に対応できる手法であっても、これを機械的に反復・継続したり、行き過ぎがあったりする場合には、さまざまな副作用・弊害が生じ、「当局の失敗」が拡大する可能性がある。例えば、情報の非対称性を解消するために顧客への情報提供を求める規制であっても、その遵守状況を当局が機械的に点検し続けると、金融機関側は、顧客ニーズに即した情報提供よりも、規制遵守の形式的な証跡を残すことを優先するようになりかねない。」
ビジネスモデルや経営管理体制まで検査対象にしたら、「当局の失敗」の範囲も拡大してしまうのでは。
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