特に目新しいことでもないのですが、2009年3月期決算で繰延税金資産の取り崩しを行う会社が続出するという記事。
「将来の収益見通しを甘く見積もれば取り崩す必要はないが、最近では金融庁の指導などにもとづいて監査法人が厳格監査を打ち出しており、「監査法人も将来の収益見通しを厳しくみている」(証券系エコノミスト)とされており、今回の決算の焦点の一つとなっている。」
本当は税引前の数値と税引後の数値の両方を見る必要があると思いますが、マスコミ報道されるのは、経常利益と税引き後の最終利益だけというケースが多く、繰延税金資産の回収可能性の見積もりの影響が見えにくくなっています。
例えば、三井住友フィナンシャルグループの赤字決算については、引当金や有価証券の減損処理のためだと報じられていましたが、当サイトでもふれたとおり、会社の公表資料をみると、(従来予想との差異の内訳としては)繰延税金資産取り崩しの影響が最も大きいようです。
また、金融庁は景気対策の一環としてゴーイングコンサーンの注記・追記基準を甘くしましたが、繰延税金資産についてはどういう考え方なのでしょうか。勝手な推測をすると、一般企業には甘く、金融機関には公的資金導入を促すため厳しくというところでしょうか。もっとも、基準や指針が変わっていない以上、従来どおりの考え方で処理するしかないわけですが・・・。
焦点は「繰延税金資産」 東芝急反落で財務不安意識
こちらの記事では「自己資本額に占める「繰延税金資産」の比率が高い主な銘柄」の表が出ています。
【ドラマ・企業攻防】金融庁の“陰謀”? 公的資金再投入で3メガと暗闘
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