三菱UFJフィナンシャル・グループ傘下の三菱UFJモルガン・スタンレー証券が、デリバティブ取引で評価損が膨らみ、2011年1~3月期に993億円のトレーディング損失を計上し、最終損益が1450億円の赤字となるという記事。
「同社は損失の出た取引の総額など詳細は明らかにしていないが、昨年5月の米モルガン・スタンレーとの合弁前から旧三菱UFJ証券で保有し、数年前から持ち高を拡大したという。合弁発足前の資産査定時に、モルガン側から「一定の枠内ですべきだ」との指摘があり、会見した同証券の西本浩二執行役員は「会社の体力に対してポジション(取引額)が大きすぎた。トレーディングで相場も見誤った」と述べた。ただ、リスク管理上は同社の規定の範囲内であり、不正取引はなかったという。」
デリバティブは原則時価評価ですから、1~3月期に損失が出たということは、1月以降の時価が大きく悪化したことになります。記事によれば、昨年5月のモルガンとの合弁前から、指摘があったようですから、ちょっとタイミングがおかしいような感じもします。指摘があった時点ですぐ取引規模を縮小していれば、大きな損失にはならなかったのかもしれません。第3四半期までにおいて適切に時価評価されていなかったとすれば大問題ですが、不正取引はなかったとのことですから、会計処理としては問題ないのでしょう。
他の金融機関は大丈夫なのでしょうか。
同社プレスリリース(PDFファイル)
三菱UFJモルガン、赤字1400億円 金融商品で損失(朝日)
「今月に入って金融商品の取引をめぐる800億円の損失が発覚した」とありますが、金融機関であれば、デリバティブは日々時価評価しているのでは・・・。
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