国際会計基準審議会(IASB)は、9月16日に、子会社、共同支配企業及び関連会社に対する投資に活発な市場における相場価格がある場合の当該投資の公正価値での測定に関する提案を詳述した公開草案を公表しました。
「本修正案は、企業は相場価格のある投資及び相場価格のあるCGUsの公正価値を、企業が保有している当該投資を構成する個々の金融商品の相場価格と金融商品の数量との積として測定すべきであることを明確にしている。」
IASBのプレスリリース原文
IASB publishes proposals for measuring quoted investments in subsidiaries, joint ventures and associates at fair value
「単価(公正価値)×数量」が金額(公正価値)になるというのは当然のようにも思われますが、議論もあります。
こちらの解説が詳しいようです。
↓
IASBが公正価値測定における会計単位に関する規定の明確化を提案(新日本監査法人)
まず会計単位の説明。
「公正価値を決定するうえでは、測定すべき資産又は負債を識別することがその基礎となる。ここで、会計単位とは、IFRS第13号や、他の基準を適用する上で、資産又は負債をどのレベルで集約又は分解するかを決めるための会計上の概念である。」
「EDの結論の根拠は、子会社、ジョイント・ベンチャー及び関連会社に対する投資の会計単位は投資全体であり、投資を構成する個々の金融商品(すなわち個別株式)が投資単位になることはないと述べている。」
つまり、例えば子会社(上場子会社とします)に対する投資の公正価値は、その投資全体で判断することになるわけですが、取引所で日々成立している価格に株数をかけて計算される金額が、投資全体の公正価値になるのかという問題が出てきます。
「企業が、子会社、ジョイント・ベンチャー又は関連会社に対する投資を保有している場合において、現在の評価技法の下では、しばしば投資先に対する支配、共同支配又は重要な影響力の価値などを反映するための調整(たとえば支配プレミアム)が加えられる。」
「本EDでは、レベル1の価格が入手可能な金融商品で構成される投資については、会計単位に関係なく、P×Qの計算式を優先することを提案している。したがって、このような投資の公正価値は、報告企業が投資先に対する支配、共同支配又は重要な影響力を及ぼすことのできる持分を有している場合であっても、すべてP×Qとして測定される。」
「作成者にとって、子会社、ジョイント・ベンチャーや関連会社、CGUに関する本改訂案を適用すること自体は実務的に容易ではあろうが、それにより、特に追加の減損損失が認識される結果につながる場合などでは、感覚として納得できないと感じられるかもしれない。」
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