DeNA(国際会計基準採用)の決算説明会の記事。
赤字の原因となったのれん減損は、2016年に解散していた会社のものだったそうです。
「守安社長は「のれんの401億円の多くは、2010年に買収した米国のngmocoによるもの」と明らかにした。
同社は2010年、同社のゲームプラットフォーム「モバゲー」が好調で、米国や中国での成長を見込み積極的な買収を行っていたが、フィーチャーフォンからスマートフォンへプラットフォームが移ることで、収益は悪化。ngmocoも2016年に解散したが、当時、その取得にかかるのれんの減損損失は認識しない、としていた。」
東芝のWH買収で発生したのれんについても問題となりましたが(グルーピングを拡大してのれん減損を回避していた)、DeNAのこの例も極端です。買収した会社の売却・解散の場合、のれんは取り崩すのが普通でしょう。グループングは会社単位でなくてもよい(もっと大きな事業の単位でもよい)とはいえ、不自然な感じがします。
DeNA、上場来初の最終赤字に ゲームで500億円減損(日経)
「苦戦が続いていたゲームは19年8月に「ポケモンマスターズ」、9月に「マリオカート ツアー」の有名キャラクターを採用した新作を配信し、挽回を期していた。しかし、課金収入が想定に届かず、ゲーム事業全体の収益性を見直さざるを得なくなった。
結果として米国市場開拓を狙って10年に買収したが、ヒット作が出ずに16年に解散していた米子会社ののれん401億円と、ソフトの開発費として計上していた資産のうち81億円を減損として計上した。将来の収益性が低下したことで、繰り延べ税金資産を取り崩して税負担も増加した。」
減損損失等の計上のお知らせ(DeNA)(PDFファイル)
「当社は、当第3四半期連結累計期間において、ゲーム事業における直近の業績動向や事業環境等を踏まえ、保守的な前提のもと、国際会計基準(IFRS)に基づく減損テストを実施した結果、総額 49,371 百万円の減損損失をその他の費用に計上いたしました。主な内訳は、ゲーム事業に係るのれんの減損損失 40,164 百万円、ソフトウェアの減損損失 8,135 百万円であります。
また、繰延税金資産の回収可能性につきましても慎重に検討した結果、繰延税金資産の一部を取り崩し、法人税等調整額 7,639 百万円(要約四半期連結損益計算書の表示上は「法人所得税費用」に含まれます)を計上しております。」
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