金融庁が、上場企業などに対して、監査法人に支払った監査報酬額を有価証券報告書に明記するよう義務付ける方針であるという記事。
しかし、有価証券報告書のコーポレートガバナンスの状況という項目において監査報酬の開示はなされています(開示府令第2号様式記載上の注意52-2)。
例えば、NTTでは以下のように開示しています(2006年3月期)。
「(7) 監査報酬の内容
当社及び子会社が中央青山監査法人及びその関連法人と締結した監査契約に基づく監査証明に係る報酬は707百万円であります。また、上記以外の報酬は、税務報酬は20百万円、その他報酬は23百万円であります。
当社及び子会社があずさ監査法人及びその関連法人と締結した監査契約に基づく監査証明に係る報酬は809百万円であります。また、上記以外の報酬は、税務報酬は77百万円、その他報酬は0百万円であります。
監査契約に基づく監査証明に係る報酬の内容は当社及び子会社の財務諸表の監査であります。また、上記以外の報酬の内容は、税務報酬については税務申告書の作成及び税務コンサルティング等、その他報酬については情報システム監査等であります。」
ただし、「監査にかかった人員や時間など報酬額の算定根拠も示すよう求める」という点は改正点かもしれません。
-補足-
監査報酬の開示については、2006年12月22日に公表された金融庁の報告書に次のように書かれています。
「有価証券報告書等における被監査会社による監査報酬の開示については、現行制度上、必ずしも明確に義務付けられていない、開示のベースが連結・単体など企業ごとに区々であり、比較可能性が乏しい等の問題点が指摘されるところである。監査報酬の開示を明確に義務付け、開示のベースを統一していくとともに、企業における監査報酬の決定方針についても適切な開示を求めていくことが適当である。」
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