中堅商社の蝶理で、4月に発表した02年9月中間決算での約5億円の不正経理のほか、その前の01年9月中間決算、02年3月期決算でも計約2億8000万円の不正経理があったという記事。
繊維資材を担当する複数の営業部で、単価を偽って売上高を約2億2000万円水増しする一方、原価を過小報告して約6000万円の利益を計上していたとのことです。
不正自体は許されるものではありませんが、より大きな不正の一部とはいえ、会社の規模と比較した場合に、1億円にも満たない粉飾(私的流用なし)の事例で、これだけ大きく取り上げられる(また決算の遡及修正も行う)ということの方を教訓とすべきでしょう。
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蝶理の調査報告書(PDFファイル)
これによると、売上単価の増額修正や、売上原価の減額処理等による不正だそうです。不正に関して、現金の流出はなく、売上先や仕入先が関与しておらず、また、翌期に全て取消し処理をしているとのことです。
監査手続的には、残高確認の差異調整を厳しく見たり、翌期の単価の修正の理由を確かめたりすれば発見できそうな不正ですが、商社のような取引量の多い事業では、通常の取引に紛れ込んでしまって発見は難しいのかもしれません。
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