「加ト吉」グループの「循環取引」に関して、外部調査委員会の調査報告書が公表され、不適切な取引の総額が6年間で約984億円、回収が困難な債権は約150億円に上るということがわかったという記事。(会社の報告書によれば、150億円には在庫の評価減も含まれています。)
不適切な取引行為に関する報告等(PDFファイル)
報告書(要旨)の冒頭部分によると、監査法人への通報が不正発覚のきっかけだったようです。
「平成19 年1 月10 日、株式会社A(以下A 社)の代表取締役甲がみすず監査法人大阪事務所を訪問し、B 株式会社(以下B 社)と加ト吉および小野食品興業株式会社(以下小野食品)と加ト吉との取引に関連した取引は違法であると通報した。」
報告書によると、決済の期間の差を利用した取引先への資金的な支援が主な目的だったようです。ただし、東京特販部で行われていた取引は、売上水増しが目的だったように読めます。
ところで、報道によれば、みすず監査法人の大阪事務所はトーマツに移籍するとのことですが、加ト吉は過年度の訂正報告書を早く出してしまわないと、訂正報告書にサインする監査人がいなくなってしまいます(後任監査人が過年度の訂正までサインすることは通常ない)。時間との勝負となりつつあるのではないでしょうか。
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