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G20「税の国際協調」綻び デジタル課税に遅れ(日経より)

G20「税の国際協調」綻び デジタル課税に遅れ(記事冒頭のみ)

昨年の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で決定されたデジタル課税と法人税最低税率のうち、デジタル課税が1年先送りになるという記事。それだけでなく、法人税最低税率も先送りになる可能性があるようです。

「巨大IT(情報技術)企業などへのデジタル課税の条約発効が2024年に1年ずれ込む見通しとなった。新たな国際課税のもう一つの柱となる法人税の最低税率設定にも新興国が再び反発を強めている。」

「新たな枠組みの「第1の柱」となるデジタル課税は巨大IT企業などの徴税権を事業規模に応じて分け合う。「第2の柱」では法人税の最低税率を15%とする。経済のデジタル化に対応し、法人税の引き下げ競争に歯止めをかける狙いで、23年の導入を目指していた。

16日閉幕のG20財務相・中央銀行総裁会議の議長総括は、デジタル課税を巡り22年中に締結予定だった多国間条約を「23年前半まで」と明記し、先送りを明らかにした。

第2の柱の時期に言及はなかったが、経済協力開発機構(OECD)のコールマン事務総長はG20財務相宛ての報告書で「24年の導入となれば十分な時間を確保できる」旨を記した。関係者の間では法人最低税率もずれ込むとの見方がある。」

記事によれば、ポーランドやハンガリーなどの低税率国の反対や、米国の政治情勢が影響しているそうです。

20 か国財務大臣・中央銀行総裁会議議長総括(仮訳) ((2022 年 7 月 15 日、16 日 於:インドネシア・バリ)(財務省)(PDFファイル)

「我々は、OECD/G20 の 2 本の柱の国際課税パッケージの迅速な実施に対する我々のコミットメントを再確認する。我々は、第 1 の柱の進行中の作業を支持し、共通アプローチとしてのグローバルなレベルでの一貫性のある実施への道筋をつける、第 2の柱のグローバルな税源浸食対抗(GloBE)モデル法制の完成を歓迎し、GloBE 実施枠組みの完成を期待する。我々は、OECD/G20「BEPS 包摂的枠組み」に対して、2023年前半における多国間条約の署名等により第 1 の柱を最終化することを求め、包摂的枠組みに対して、第 2 の柱の租税条約上の最低課税ルール(STTR)の実施のための多国間協定の策定を可能とするための交渉を完了することを求める。我々は、「税と開発に関する G20 閣僚級シンポジウム」に照らし、税と開発アジェンダを強化する我々の目的を再確認し、我々は、今後作成される新たな「途上国と国際租税に係るG20/OECD ロードマップ」に留意する。我々は、地域での取組を含む国際的に合意された税の透明性基準の実施における進捗を支持し、アジア・イニシアティブ・バリ宣言への署名を歓迎する。また、我々は、OECD における暗号資産の報告枠組み及び共通報告基準の改訂における進捗を歓迎し、それらの迅速な完了を求める。」

「コミットメントを再確認する」といっているので、やらないわけではなさそうです。

暗号資産や共通報告基準についてもふれていますが、その解説。

OECD、暗号資産に係る情報交換制度の枠組みおよびCRS改正案の公表(EY)

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