国税庁が、世界各国の口座情報を自動的に交換する新制度を使い、海外金融機関にある日本人の口座情報55万705件を入手したと明らかにしたという記事。
「国税庁は31日、世界各国の口座情報を自動的に交換し、資産を「ガラス張り」にできる新制度を使い、64カ国・地域の金融機関にある日本人の口座情報55万705件(速報値)を入手したと明らかにした。」
「活用されたのは、経済協力開発機構(OECD)が策定した「CRS」(共通報告基準)と呼ばれる制度。非居住者が自国に持つ金融機関の口座の残高や、利子や配当の受取額などの情報を各国(102カ国・地域)の税務当局と自動的に交換することで、海外資産を透明化できるメリットがある。」
「日本は9月に初めて情報交換した。口座残高や住所、納税者番号などの情報を得た。一方、日本からは58カ国・地域に8万9672件(速報値)の口座情報を海外当局に提供した。」
国税庁の発表資料はこちら。
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CRS 情報の自動的情報交換の開始について・CbCR の自動的情報交換の開始について(国税庁)(PDFファイル)
CbCR(Country by Country Report:国別報告事項)の自動的情報交換に関するプレスリリースも含まれています。海外展開している企業にとっては、こちらの方が重要かもしれません。
「国税庁は、租税条約等の情報交換規定に基づき、CbCR(Country by Country Report:国別報告事項)の自動的情報交換を開始しました。
この自動的情報交換は、OECD の BEPS(Base Erosion and Profit Shifting:税源浸食と利益移転)プロジェクトの勧告(行動 13「多国籍企業情報の文書化」)に基づくものであり、BEPS プロジェクトの勧告の実施に係る「包摂的枠組」参加国・地域により行われることになっています。
我が国は、平成 28 年(2016 年)度税制改正により、移転価格税制に係る文書化制度の整備として、特定多国籍企業グループの最終親会社等が CbCR を国税庁に報告する制度を導入し、報告された CbCR は、平成 28 年(2016 年)4月1日以後に開始する最終親会計年度終了の日の翌日から 18 か月以内(注)に外国税務当局に提供することとしていました。」
「これまでに、国税庁は、我が国に所在する最終親会社 609 社分の CbCR を 39 か国・地域に提供した一方、558 件の CbCR を 29 か国・地域から受領しました。」
こちらの資料は、海外との情報交換全般について説明しています。
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平成 29 事務年度における租税条約等に基づく情報交換事績の概要(国税庁)(PDFファイル)
租税条約等に基づく情報交換には、「要請に基づく情報交換」、「自発的情報交換」及び「自動的情報交換」の3つの類型があるそうです。
用語解説。
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国別報告書(CbCレポート)(KPMG)
日本版移転価格文書化(Japanese Transfer Pricing Documentation)(KPMG)
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