オリンパスが、菊川剛前会長兼社長らに対し、総額数十億円の損害賠償を求めて提訴したという記事。
「同社の損失隠しについて歴代取締役の責任を調べていた「取締役責任調査委員会」が調査報告書を7日にまとめたのを受けて、8日夜に東京地裁に訴状を提出した。調査報告書では、総額で約900億円の損害を会社に与えたと結論付けたが、実際の請求額は支払能力を考慮して抑えた。」
監査人への賠償請求についてもふれています。
「同株主(注:オリンパスに対して、取締役への損害賠償訴訟を起こすよう求めていた株主)はオリンパスに対し、歴代監査役と2監査法人(あずさ監査法人と新日本監査法人)についての提訴請求も行っている。オリンパスは、これらの責任を調べる「監査役等責任調査委員会」の調査報告書を提訴請求期限の今月17日までに受ける。オリンパスはこの報告を踏まえ、監査役と監査法人に対する提訴を検討する。」
監査人は、万一、会社から訴訟を起こされる事態になれば、利益相反が生じるので、監査契約を打ち切らざるをえないでしょう。前任監査人の方は関係ありませんが・・・。
もちろん、粉飾を主導していた役員たちとは責任の大きさはまったく違うと思いますが、支払能力の点では、個人である役員たちより監査法人の方が、あてにできます。
東証がオリンパス上場維持で最終調整、「特設注意市場銘柄」に=関係筋(ロイター)
上場廃止問題については、「特設注意市場銘柄」に指定することで済ませるようです。
「訂正後にもオリンパスは債務超過に陥っておらず、上場廃止基準に抵触していなかったことや、既存株主への影響などを勘案し、上場維持が適当と判断しているもようだ。」
「過去に虚偽記載で上場廃止に追い込まれた主な事例では、西武鉄道が株主数、カネボウが債務超過の面で、それぞれ訂正後に上場廃止基準に抵触し「そもそも上場できない状態だった」(東証筋)のに対し、オリンパスは訂正後の財務情報で債務超過はなく、上場廃止基準に抵触していなかった。」
ライブドアの例では、訂正後も債務超過になっていない(そもそも資本取引を利益計上したという不正であり、貸借対照表の粉飾ではないといわれていました)のに、上場廃止になっています。
オリンパス、辞任後の前会長にマンション提供(読売)
オリンパスの鑑、百武鉄雄秘書室長を褒め讃える(FACTA)
元社長、オリンパスを提訴へ 「不正追及後の解任不当」(朝日)
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