会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

2018年度「コンプライアンス違反」倒産(東京商工リサーチより)

2018年度「コンプライアンス違反」倒産

東京商工リサーチの調べによると、2018年度の「コンプライアンス違反」倒産は194件だったという記事。

「2018年度に「コンプライアンス違反」を一因にした倒産は194件(前年度比8.0%減、前年度211件)で、2年ぶりに前年度を下回った。

最近5年では、2014年度にピークとなる216件が発生したが、以降は15年度が191件、16年度が179件と2年連続で減少した。企業倒産が低水準で推移していることも背景にあるが、企業の社会的責任意識の浸透も進み、「コンプライアンス違反」企業の経営破綻の表面化は減っていた。」

原因別には...

「 「コンプライアンス違反」が一因で倒産した194件の違反要因別では、最多が滞納や脱税などの「税金」関連で84件(前年度比18.3%増、前年度71件)発生した。

次いで、建設業法などの業法違反、外為法、特定商取引法、最低賃金法などの法令違反、行政処分、代表者の逮捕などを含む「その他」が67件(同15.1%減、同79件)。

また、給与未払いや最低賃金法違反などの「雇用関連」は14件(同17.6%減、同17件)、虚偽の決算書作成や不適切な会計処理などの「粉飾」が13件(同48.0%減、同25件)、補助金や介護報酬などの「不正受給」は9件(同10.0%減、同10件)だった。」

税金関連の中の滞納は、倒産しそうな会社だから滞納するという面もあるでしょうから、因果関係が逆のような感じもしますが...。

粉飾も同様です。

負債総額では大幅減少です。

「 2018年度に「コンプライアンス違反」が一因で倒産した194件の負債総額は、948億100万円(前年度比94.9%減、前年度1兆8,805億9,100万円)と大幅に減少した。前年度は、欠陥エアバッグ問題で製造業では戦後最大の大型倒産となった自動車部品メーカーのタカタ(株)(負債1兆5,024億円)と磁気治療器の預託商法のジャパンライフ(株)(同2,405億円)の大型倒産が発生した反動が大きな要因となった。」

ジャパンライフはコンプラ倒産というより、コンプラを無視したから膨張できた例のようにもみえます。

(補足)

こちらは帝国データバンク版。

コンプラ違反倒産は 3 年ぶりの増加~「資金使途不正」過去 2 番目の高水準~(PDFファイル)

「帝国データバンクでは、「粉飾決算」や「業法違反」「脱税」などのコンプライアンス違反が取材により判明した企業の倒産を「コンプライアンス違反倒産」と定義。2018 年度(2018 年 4 月~2019 年 3 月)の同倒産(法的整理のみ)について分析した。」

「2018 年度(2018 年 4 月~2019年 3 月)のコンプライアンス違反(以下コンプラ違反)倒産は、233 件判明。前年度比 0.9%増となり、3 年ぶりに増加した。また、2012 年度以降 7 年連続での 200 件台となった。」

「2018 年度のコンプラ違反倒産を違反類型別に分析すると、最も多かったのは決算数値を過大(過少)に見せる「粉飾」で 73 件(構成比 31.3%)。前年度を 1 件上回った。また、詐欺的な経営や横領などの「資金使途不正」が 59 件と前年度から 26 件増え、過去 2 番目の高水準となった。」
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