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自主規制モニター会議(2024年6月6日)の議事要旨等の公表について(日本公認会計士協会)

自主規制モニター会議(2024年6月6日)の議事要旨等の公表について

日本公認会計士協会の自主規制モニター会議(2024年6月6日開催)の会議資料、議事要旨等が公開されています。

上場会社等監査人登録制度や品質管理レビュー制度などについての状況説明とディスカッションがあったようです。

上場会社等監査人登録制度の登録申請者への指導内容についても説明しているようです。

会議資料より、その一部。

協会は、非常勤職員のPCについて、貸与PC化やシンクライアント化を指導しているようです。

一昔前には、監査法人のPC紛失事故が、大騒ぎになったりしていましたが、最近はあまり聞きません。紛失事故がなくなっているとは思えませんが、紛失しても情報が漏れないような仕組みになっているということなのでしょうか。

また、監査調書の電子調書化も指導しているようです(改ざん防止のため)。

協会レビューや金融庁検査のために電子調書化させるというのは、本末転倒なのでは(一応、それ以外の方法も示していますが)。電子調書を所定の期間、安全に保存し、適切なアクセス管理を行うというのは、けっこうコストもかかりそうです(事務所のサーバーへのサイバー攻撃のリスクもありそう)。

モニター会議委員の意見(PCや調書の管理に限らず)。

「業務の PC の管理に関する指導

監査事務所の PC の貸与又は個人の PC へのシンクライアント環境の導入が未了の監査事務所については、監査事務所内の定期的なモニタリングにより対応しているとのことだが、機密保持の観点から依然リスクは残るため、いずれかの方法で対応できるよう今後も指導してもらいたい。」

「上場会社等の監査を行う中小監査事務所に重点を置いた品質管理レビューの実施

リスクが高いと考えられる上場会社ほど大手監査法人から中小監査事務所に監査人を交代する傾向が見られる。こうした傾向が続けば、中小監査事務所の登録上場会社等監査人としての役割は増大していくと考えられるため、上場会社等の監査を行う中小監査事務所に重点を置いて品質管理レビューを実施する方針や、監査事務所の規模区分による特性に応じて重点的実施項目を設定するという取組は望ましい。個々の監査事務所固有の課題や実際の監査業務から浮かび上がったリスク・問題点を考慮したレビューが行われるとなお良い。 」

「中小監査事務所の IT 監査のレベルアップ

中小監査事務所の特徴として、IT に依拠しないアプローチを採用している監査事務所が相対的に多く、極力マニュアルの監査で補っているとのことだが、果たしてそれで良いのか。上場会社側の財務会計システムを含む IT の高度化が進む一方で、それについていけない形で脇の甘い監査が横行すれば、IT 監査を軽視する上場会社が出てくるなど、IT 監査全体のレベルダウンになるおそれもある。協会として、中小監査事務所を守るという姿勢ではなく、監査事務所の IT化を強く促す、単独での対応が難しいのであれば、共同監査や合併で対応するなど、レベルの高い構想を練って、上場会社の IT の高度化に対応する仕組みを構築していく必要がある。」

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