東芝粉飾事件の関連で、東芝の株主が、監査人であった新日本監査法人に対し、株主代表訴訟により損害賠償を求める訴訟を起こしたという記事。
「東芝(東京)の不正会計問題で監査に問題があったとして、大阪府に住む40代の男性株主が20日、新日本監査法人(同)に対し、約105億円を東芝に賠償するよう求める訴状を東京地裁に送った。企業の不祥事をめぐり、監査法人の責任について追及する株主代表訴訟は異例だ。
代理人を務める「株主の権利弁護団」(大阪市)によると、男性株主は東芝のパソコン事業に関し、「新日本が東芝の情報、記録に漫然と接し、うのみにしていた」と主張。賠償額は、金融庁が東芝に課した課徴金などをもとに算出している。」
会社から独立した外部の存在である会計監査人が、株主代表訴訟の対象となっているという制度自体がおかしいと思いますが、会社法でそうなっていて、実際に訴訟が起こされた以上、監査人は裁判で争うしかありません。
しかし、見方を変えれば、今まで守秘義務により反論できなったのが、株主代表訴訟で訴えられたことにより、訴訟に関連する範囲で守秘義務が解除され、自らの見解を公の場で主張することができるわけですから、プラスの面もあるでしょう。嘘八百の説明を監査人に対して行い、結果として監査法人を窮地に陥れた東芝の役員やその他幹部らを、裁判所に呼びつけて、対決することも可能です。
ぜひ、この訴訟で、監査人のどこにミスがあったのか、会社側は監査人を妨害するためにどのような手を使ったのかなどを、さらに明らかにしてもらって、監査人・会社側双方を責任をはっきりさせ、今後の監査の質向上に役立ててほしいものです。
訴訟の争点がどこにあるかは、法律専門家に聞かないと分かりませんが、素人考えでは、監査にミスがあったのか(監査人の過失の有無)、過失相殺、賠償額などが取り上げられると思います。
当サイトの関連記事(東芝が新日本への提訴を見送った件について)
東芝は、提訴を見送ったものの、新日本の「任務懈怠が認められる可能性がある」といっています。
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