会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

監査人交代事例6件(5月13日)

最近の監査人交代事例です(5月13日)。6件のうち3件が大手の退任です。今週と来週がピークでしょうか。

まず、トーマツの退任2件。

1.ユーシン精機(東証1部)

会計監査人の異動に関するお知らせ(PDFファイル)

トーマツ→太陽有限責任監査法人、の交代です。

監査継続年数にもふれていますが、直接的には、監査報酬増額要請がきっかけのようです。

「2021 年 3 月期時点で監査継続年数が 28 年間と長期にわたっており、新たな視点での監査が必要な時期であること、また同監査法人から監査報酬の増額の要請があったことを契機として、当社の事業規模に見合った監査報酬の相当性等を総合的に検討した結果、監査役会は会計監査人を見直すべきであると判断いたしました。」

2.銀 座 山 形 屋(ジャスダック)

公認会計士等の異動に関するお知らせ(PDFファイル)

トーマツ→かなで監査法人(準登録事務所)、の交代です。

監査費用などを理由に挙げています。

「当社におきましては、当社グループの事業規模に適した監査費用の相当性等について他の監査法人について調査及び見積もりの取得など行い比較検討した結果、監査法人を見直すこととし、かなで監査法人を当社の会計監査人に選定することといたしました。」

あずさの退任1件。

3.アーキテクツ・スタジオ・ジャパン(東証マザーズ)

公認会計士等の異動に関するお知らせ(PDFファイル)

あずさ→桜橋監査法人、の交代です。

監査報酬増額改定の提示がきっかけとのことです。

「当社が経費削減に取り組んでいた中、現公認会計士等より 2022 年3月期における監査報酬の増額改定の提示があったことを契機として、監査役会は、現公認会計士等の監査継続年数を踏まえ、現公認会計士等を含む複数の監査法人を対象として検討したうえで、上記3.の理由により、桜橋監査法人が新たな公認会計士等として適任であると判断いたしました。」

現監査人の就任年は、2013 年です。

以下は、準大手・中小事務所の交代です。最近増えている元和の退任もあります。

4.リソルホールディングス(東証1部)

会計監査人の異動に関するお知らせ(PDFファイル)

太陽有限責任監査法人→赤坂有限責任監査法人、の交代です。

「現在の会計監査人につきましても、会計監査が適切かつ妥当に行われる体制を十分に備えているものと考えておりますが、監査継続年数が長期にわたっていることに加え、当社の事業規模や近年の経営環境を踏まえた会計監査が必要であると判断したことから、他の監査法人と比較検討を行ってまいりました。」

「当社の事業規模や近年の経営環境を踏まえた会計監査」というのはどういう意味なのでしょう(報酬の話?)。

現監査人の就任年は、2007 年です。

5.キムラタン(東証1部)

会計監査人の異動に関するお知らせ(PDFファイル)

清稜監査法人→監査法人Ks Lab. 、の交代です。

監査費用などを理由としています。

「現在の会計監査人においても、会計監査が適切かつ妥当に行われることを確保する体制を十分に備えていると考えておりますが、当社グループの事業規模に適した監査対応と監査費用の相当性等について、他の監査法人と比較検討した結果、上記3.の理由により、新たに監査法人Ks Lab.を会計監査人として選任するものであります。 」

6.バ ナ ー ズ(東証2部)

公認会計士等の異動に関するお知らせ(PDFファイル)

監査法人元和→城南公認会計士共同事務所(準登録事務所)、の交代です。

担当していた公認会計士の脱退で、監査品質継続困難とのことです。

「監査法人元和より、同法人において当社の監査を担当してきた主たる公認会計士らが近く脱退する意向である旨の申し出がありました。こうしたことを受け、監査役会は、監査法人元和においてはこれまでと同様の監査品質を継続することが困難になることが予想されると判断し、適正な監査業務が継続的に実施される体制を維持するため、上記3.の理由により新たに城南公認会計士共同事務所を会計監査人として選任することといたしました。」
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