破産手続き中の英会話学校最大手「NOVA」は、前払い受講料より支払いが優先される税金や社員への未払い賃金などの債務が約57億円に上り、受講生への配当は難しいという記事。
「高橋弁護士は経営悪化の背景について「宣伝広告費が売り上げの3割を超え、湯水のように使われていた。前払い受講料などで自転車操業していたが、迷走した」と説明した。」
NOVAの有報でキャッシュ・フロー計算書をみてみると、例えば、授業料の返還が問題になる前の2003年3月期の営業キャッシュ・フロー38億円のうち、前受金にあたる繰延駅前留学サービス収入の増加額が約30億円も占めています。これが、2007年3月期では、繰延駅前留学サービス収入の増加額がマイナスの61億円、営業キャッシュ・フローがマイナスの57億円となっています。
営業キャッシュ・フローもプラスになっていればいいということではなく、中身を見る必要がありそうです。
NOVA回収資産「ゼロ」 前払い受講料返還不能は確実
前払い金、分別管理進まず NOVAで顕在化 本社調査
「特定商取引法は、語学教室など6種類の「特定継続的役務提供」について、前払い金の保全措置の有無を法定の書面に記すよう義務づけている。実際に保全するかどうかは業者の判断に任せている。
朝日新聞の調べでは、実際に保全しているところはゼロ。」
保全している会社がないということなので考える必要もないのですが、NOVAの破綻で顧客保護のため前受金の一部を保全する会社も出てくるかもしれません。その場合、会計処理はどうなるのでしょうか。
保全された資産を担保に供されている資産として注記する方法と、資産負債とも表示上簿外にする方法(キャッシュ・フロー計算書でも保全が解除され自由に使えるようになるまで収入にしない)が考えられますが、たぶん前者の方法でしょう。顧客からすれば、担保提供資産として十分な金額が注記されていれば、一応安心だということになります。
NOVA問題の責任を問う
その2
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