会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

「収益認識に関する会計基準の適用指針」の改正(検針日基準関連)(企業会計基準委員会)

改正企業会計基準適用指針第30号「収益認識に関する会計基準の適用指針」の公表

企業会計基準委員会は、「収益認識に関する会計基準の適用指針」の改正(改正企業会計基準適用指針第30号)を、2021年3月26日付で公表しました。

電気事業及びガス事業においては、いわゆる検針日基準による実務が見られます。収益認識会計基準に従えば、検針日から決算日までに生じた収益を見積る必要がありますが、これが実務的に困難であるとの理由で、検針日基準を代替的な取扱いとして認めて欲しいとの要望が業界団体から寄せられ、委員会で検討していました。

審議の結果、検診日基準では「財務諸表間の比較可能性を大きく損なわせないとは認められない」と判断し、会計基準の定めどおりに収益の見積りが必要であるとの結論に至りました。しかし、見積方法については、財務諸表間の比較可能性を大きく損なわせない範囲で代替的な取扱いを定めることとしたとのことです。

具体的には...

「電気事業及びガス事業における決算月の検針日から決算日までに生じた収益の見積りは、通常、同種の契約をまとめた上で、使用量又は単価(若しくはその両方)を見積って行われるものと考えられる。代替的な取扱いでは、当該使用量及び単価の見積りを、以下のように行うことができることとしている。

・使用量について

決算月の月初から月末までの送配量を基礎として、気温、曜日等を加味して見積ることが考えられるが、気温、曜日等を加味することは実務的に困難である可能性があるため、その月の日数に対する未検針日数の割合に基づき日数按分により見積ることができることとした。

・単価について

電気事業及びガス事業では、契約の種類、使用量、時間帯等によって単価が変動する料金体系を採用していることがあり、単価の見積りについては、使用量等に応じて、それらの構成比の変動等を調整することが考えられるが、このような調整を行うことは実務的に困難である可能性があるため、決算月の前年同月の平均単価を基礎とすることができることとした。」(本適用指針の概要より)

(料金水準が大きく変動した場合には、1年前の単価を使うのは、不適切な感じもしますが、「基礎とする」だけなので、何らかの調整をするのかもしれません。)

2020 年改正の会計基準の適用時期等と同様に、2021 年 4 月 1 日以後開始する年度の期首から適用です。
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