会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

監査人交代事例8件、うち大手の退任4件、元和のさらなる退任も(5月21日)

最近の監査人交代事例です(5月21日発表分)。トーマツと新日本の退任が2件ずつあります。元和からのクライアント流出も続いています。

トーマツ退任2件。1件はあずさへの交代です。

1.テイ・エステッ ク(東証1部)

公認会計士等の異動に関するお知らせ(PDFファイル)

トーマツ→あずさ、の交代です。

監査継続年数を理由にしています。

「監査役会は、現会計監査人の監査継続年数が長期にわたっていることを踏まえ、改めて他の監査法人と比較検討を行ってきました。」

現監査人の就任年は、1998 年です。

2.デジタルハーツホールディングス(東証1部)

公認会計士等の異動に関するお知らせ(PDFファイル)

トーマツ→太陽有限責任監査法人、の交代です。

監査継続期間、監査対応、監査費用が交代理由です。

「現在の会計監査人については、会計監査が適切かつ妥当に行われることを確保する体制を十分に備えているものの、監査継続期間が 7 年にわたっていることや当社の事業規模に見合った監査対応と監査費用の相当性等を総合的に検討した結果、上記 3.に記載した理由の通り、新たな会計監査人として太陽有限責任監査法人を選任するものであります。」

7年というのは特に長くはないと思いますが...

新日本の退任2件。

3.一 蔵(東証1部)

公認会計士等の異動に関するお知らせ(PDFファイル)

新日本→監査法人アヴァンティア、の交代です。

現監査人から契約更新を辞退してきたそうです。

「任期満了にあたり、同監査法人からは、監査工数が増加していた状況、監査報酬等の水準を総合的に熟慮した結果、契約更新を差し控えたい旨の申し出を受けました。これを契機として、当社に適した監査対応と監査報酬の相当性や会計監査の継続性の確保も含め、複数の監査法人を比較検討いたしました結果、上記3.の理由により、新たに監査法人アヴァンティアを会計監査人として選任するものであります。」

減資を行うなど、経営状態はよくないようです。

4.東 海 染 工(東証1部)

会計監査人の異動に関するお知らせ(PDFファイル)

新日本→太陽有限責任監査法人、の交代です。

監査継続年数、監査対応、監査報酬水準が理由です。

「当該会計監査人との監査継続年数が長期にわたっていること、当社グループの事業規模に適した監査対応及び監査報酬の水準等を検討した結果、太陽有限責任監査法人を新たな会計監査人として選任するものであります。」

現監査人の就任年は、1965 年です。(たしかに長い。)

その他4件。

5.マーチャント・バンカーズ(東証2部)

会計監査人の異動に関するお知らせ(PDFファイル)

太陽有限責任監査法人→南青山監査法人、の交代です。

監査継続期間が長期にわたり、新たな視点による監査が必要とのことです。

「当社は、太陽有限責任監査法人を会計監査人として13 期という長期にわたって選任してまいりましたが、新たな視点による監査が必要な時期であり、会計監査人を見直すべきであると判断し、複数比較検討した結果、上記3.の理由により、その後任として新たに南青山監査法人を会計監査人として選任するものであります。」

6.省電舎ホールディングス(東証2部)

会計監査人の異動に関するお知らせ(PDFファイル)

やまと監査法人アルファ監査法人(準登録申請中)、の交代です。

2019 年に就任したばかりの現監査人から契約更新辞退の申し出があったとのことです。

「現任会計監査人から、当社の経営環境変化ならびに組織体制にかかる充足度合いについて今後も監査工数の増加が見込まれること等を理由に、任期満了をもって契約更新を差し控えたい旨の申し出を受けました。これを契機として当社としては監査の効率性と当社の事業規模に適した監査費用と監査対応の相当性等にも考慮し、上記3の理由により、アルファ監査法人を新たに会計監査人として選任するものです。」

後任が準登録申請中である点については...

「現在、アルファ監査法人は、準登録事務所名簿への登録を申請中であります。なお、当該会計監査人候補が、第 36 回定時株主総会にて選任決議された後、準登録事務所に登録されなかった場合は、有価証券上場規定第 441 条の3において上場会社監査事務所等による監査が義務付けられているため、他の登録済み監査事務所を選任する等の対応を検討いたします。」

7.多摩川ホールディングス(ジャスダック)

会計監査人の異動に関するお知らせ

監査法人アヴァンティア→監査法人ハイビスカス、の交代です。

現監査人から契約更新辞退の申し出があったそうです。

「現任会計監査人から当社のIFRSの任意適用を含め経営環境の変化に伴う監査工数の増大を理由に契約を更新しない旨の申出を受けました。

これを契機として、当社の事業規模や経営環境を踏まえ、IFRSの任意適用を視野に入れ検討した結果、監査法人ハイビスカスを会計監査人として選任するものであります。」

IFRSの任意適用関連の報酬について決着がつかなかったというようなことなのでしょうか。

8.明治機械(東証2部)

公認会計士等の異動に関するお知らせ(PDFファイル)

監査法人元和→城南公認会計士共同事務所(準登録事務所)、の交代です。

担当してきた主たる公認会計士が脱退するとのことです。

「監査法人元和より、同法人において当社の監査を担当してきた主たる公認会計士らが近く脱退する意向である旨の申し出がありました。

こうしたことを受け、当社監査等委員会は、監査法人元和においてはこれまでと同様の監査品質を継続することが困難になることが予想されると判断し、適正な監査業務が継続的に実施される体制を維持するため、上記3.の理由により新たに城南公認会計士共同事務所を会計監査人として選任することといたしました。」
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近の「企業会計」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事