近畿日本ツーリストが、49億4100万円を旅行券等引換引当金として計上したことを理由に2007年12月期の連結最終損益が41億円の赤字になると発表したため、株価が急落したという記事。
会社のプレスリリース(PDFファイル)
記事やこのプレスリリースでふれているように、引当金計上のきっかけは、今年4月に改正された会計士協会の「租税特別措置法上の準備金及び特別法上の引当金又は準備金並びに役員退職慰労引当金等に関する監査上の取扱い」です。
この取扱いは主に役員退職慰労引当金をターゲットにしていましたが、最後の方で「負債計上を中止した項目に係る引当金」という項目がひっそりと加えられていました。これを読んだだけで、負債から取り崩した商品券(顧客は利用できる)について利用見込額を引当することを要求するものであると気付いた人は多くなかったと思います(私も別の人から教えてもらいました)。
同じ問題は商品券を発行している他の会社にも起きているはずです。他の会社はどのような会計処理をするのでしょうか。もちろん、保守的に、商品券未利用残高を永久にバランスシート上残す処理をしていれば、新たな引当が生じることはありません。
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