バランスシートで読みとく世界経済史 ジェーン・グリーソン・ホワイト(Jane Gleeson-White) 川添節子(Setsuko Kawazoe) 日経BP社 2014-10-15 by G-Tools |
会計・監査ジャーナル2015年3月号に、大阪経済大学・渡邉泉名誉教授による書評が掲載されていました。
歴史に関する章と問題提起の章との関連性が希薄であり、また、前者に関しては特に新たな知見はないとしながらも、「複式簿記・会計の誕生とその進化の背景が生き生きと描写され、われわれをまるで中世のイタリアに誘ってくれる心地よさを感じる」とほめています。
宣伝文より
「複式簿記が先か?資本主義が先か?14世紀のヴェネツィアで広まった複式簿記は、「富を測定したい」という人間の欲望を実現し、資本主義の飛躍的な膨張をもたらした―。気鋭のジャーナリストが切り拓く、資本論の新境地。」
目次より
序章 ロバート ・ ケネディと富の測定
第1章 会計―コミュ ニケーショ ンの始まり
第2章 商人と数学
第3章 ルカ・パチョーリ、有名人になる
第4章 パチョーリの簿記論
第5章 複式簿記の普及
第6章 産業革命と会計士の誕生
第7章 複式簿記と資本主義―卵が先か、鶏が先か
第8章 ケインズ―複式簿記と国富論
第9章 会計専門職の台頭とスキャンダル
第10章 会計は地球を救えるか
終章
翻訳なので少し読みづらそうですが、会計史と経済史の両方学べそうです。マクロ経済学や環境問題まで視野に入れているのは、普通の会計史本と違う点かもしれません。本当は、新しい会計基準・監査基準の解説本を読まないといけないのですが、そういうものを読んでも、あまり発見はないので、傾向の違うものを探したくなります。
原書はたぶんこれです。「Double Entry」(複式記入)という書名であり、邦題とだいぶ違います。「経済史」というよりは、会計に関する部分の比重が高そうです。
Double Entry: How the Merchants of Venice Created Modern Finance Jane Gleeson-White W. W. Norton & Company 2012-10-01 by G-Tools |
こちらは完全に会計史の本です。
近代会計史入門 中野 常男 清水 泰洋 by G-Tools |
渡邉教授の本
会計の歴史探訪 -過去から未来へのメッセージ- 渡邉 泉 by G-Tools |