これによると
・XBRLは、財務諸表を表現するだけの技術ではなく、インプット側である仕訳帳、総勘定元帳、補助元帳などあらゆる会計関連の書類を記述することができる。現代の監査ではCAATを駆使しなければならないが、その際にXBRLをもとにした汎用性のあるフォーマットでデータを入手できれば、多くの恩恵をもたらすに違いない。
・従来はCSV形式が使われてきたが、データの完全性や首尾一貫性という観点からすれば全く不完全な形式である。
・2013年8月にはAICPAから、XBRL技術を利用した「監査データ標準」(ADS)が公表された。
・これ以前にも、OECDから、SAF-Tが公表されている。これは、課税当局と外部監査人のための税務用標準監査ファイルの仕様を定めたものである。EUでは、この形式で取引データを出力できる機能の会計ソフトへの組み込みを義務化しようとする動きもあった。一部の国で導入の決定あるいは検討を行っている。
・ISOからも、Audit Data Service(こちらも略称はADS)という規格(中国が基準を提案)が公表され、世界各国の金融監督当局からコメントを集めている。中国がポジティブな意見表明をしているほか、韓国やベルギーが採用を表明したとのことである。日本の金融庁や公認会計士協会では、十分に認知されているとは言い難い状況である。
・最近になって、XBRLデータをより使いやすくするためのOpen Information Model(OIM)という技術の導入検討も始まった。
汎用的で、かつ誰にでも利用しやすい監査用フォーマットのデータを出力する仕組みが、会計システムに組み込まれるようになれば、税務当局や監査人にとっては非常に便利です。(会社からすれば、丸裸にされるのと同じかもしれませんが。)
監査のやり方もだいぶ変わるかもしれません。
最近の「会計監査・保証業務」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
2000年
人気記事