会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

取引所の番人、形式主義と一線 自主規制法人 発足10年(日経より)

取引所の番人、形式主義と一線 自主規制法人 発足10年

日本取引所グループの自主規制法人発足から10年を迎えるという記事。

「上場企業の審査などを手掛ける日本取引所グループの自主規制法人が発足してから10月で10年を迎える。東京証券取引所から分離した当初はルールに基づいて粛々と審査する姿勢が強かったが、現在は自ら規範づくりに関わるまでに変化した。」

フード・プラネットの上場廃止決定が早かったことをほめています。

「自主規制法人は不適切な会計処理を引き起こしたフード社を「特設注意市場(特注)銘柄」に指定し、内部管理体制を改善するよう求めていた。

自主規制法人がフード社から再発防止策などを受け取ったのが3月。それからわずか1カ月後にフード社の内部管理体制について「改善の見込みなし」と判断、株式市場からの退出を宣告した。」

2つのプリンシプルの公表についてもふれています。

「自主規制法人の変化を象徴するもう一つの出来事が、2014〜16年に上場企業向けに2つのプリンシプル(行動原則)を公表したこと。資金調達をする際の留意点をまとめた「エクイティ・ファイナンス(新株発行を伴う資金調達)のプリンシプル」と「上場会社における不祥事対応のプリンシプル」がそれだ。

 制度やルールづくりを東証が担い、それに基づいて審査するのが自主規制法人というのが設立当初の役割分担だった。その枠内にとどまらず、東証の役割をやや“領空侵犯”する形ながらも、積極的に規範づくりに関与しようというのが今の自主規制法人だ。」

最後の方で東芝の上場廃止問題にもふれています。フード社とちがって、ぐずぐずといつまでも決まらないようですが、記事では「今後、自主規制法人の真価を問われる」といっています。

東芝問題関連記事。

東芝の上場可否、今秋結論か 「特設注意」指定から2年(産経)

「東芝は、2年連続の債務超過という、内部管理体制の審査とは別の上場廃止リスクも抱える。両者は直接的には関係ないが、仮に内部管理体制の審査で上場維持が決まった後に2年連続の債務超過で上場廃止となれば、証券市場に混乱を招きかねない。

このため、東芝が来年3月末の債務超過を回避するために進めている半導体子会社売却の行方も、内部管理体制の審査の結論を出す時期などに何らかの影響を与えるとの見方もある。」

【東芝危機】銀行団、債務超過も想定、上場維持を模索(産経)

「主力行は、3月末に売却益が入らずに債務超過に陥った場合でも、売却先が決まっていれば、債務超過は一過性のものとみなして上場廃止を猶予するよう東証などに求めることも視野に入れている。だが、「猶予はどんなに長く見積もっても1カ月程度」(銀行関係者)とみており、銀行団は9月末までの売却先の決定を期限と定め、東芝に決断を迫っている」
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