金融庁幹部、独立社外取締役はさらなる役割発揮を-ガバナンス強化へ
金融庁の企業開示課長へのインタビュー記事。企業開示については特にふれていません。
「金融庁の廣川斉・企業開示課長はインタビューで、「社外取締役には期待されている役割をもっと発揮してほしい」と語った。資産運用会社などの機関投資家に対しては、対話を通じてコーポレートガバナンス(企業統治)の実効性を高めてほしいとした。
日本も欧米に倣い、社外取締役の設置などコーポレートガバナンスの取り組みを強化してきたが、廣川氏は企業価値の向上という観点からは、「十分な成果を上げているとは言い難い」のが現状との認識を示した。」
「金融庁は4月、企業統治改革に関するアクションプログラムを公表。これまで数回にわたるコーポレートガバナンス・コードの改訂により形式は整ったとして、今後は収益性と成長性を意識した経営など実質面の充実が必要とした。
廣川氏は「コーポレートガバナンスの目的は中長期的な企業価値を上げること」と指摘。「最終ゴールにはまだまだ道のりは遠い」と語り、企業に一層の取り組みを促した。」
「中長期的な企業価値」といっても、株価を上げるのに最もよく使われているのは、自社株買いのようです。
投資→成長のサイクル回らぬ日本 「自社株買い株高」に潜む死角(朝日)
学者のコメント。
「――日本企業が自社株買いを増やしています。5月に企業が自社株買いを公表した額は、単月で過去最高になりました。
「本来、株式会社は資金を集めて有望な事業に投資し、結果として株主還元するのが健全な姿です。ですが近年、設備投資や賃上げなどの『人的投資』をするよりも、確実に株価が上がる自社株買いが先行しているように見えます」
「経営者が株主の方ばかりを向き、リターンが出るか分からなかったり、結果が見えるようになるまで時間のかかったりする投資のリスクを避けているように感じます。経営者のそうした姿勢が、自社株買いの増加という形で表れているのではないでしょうか」」
金融庁のいうとおり、投資家との対話を熱心にやれば、こういう結果になるのでしょう。