今後の予算編成の指針となる「経済財政運営の基本方針」(骨太の方針)と、成長戦略「日本再興戦略」の改訂版が、6月30日に閣議決定されたという記事。
「骨太の方針では、財政健全化について「2020年度に基礎的財政収支(PB)を黒字化」という従来の目標に向け、具体的な計画を盛り込んだ。」
「成長戦略は、人口減が進むなか、少ない人手で効率的に価値を生み出すために「生産性」の向上に重点を置いた。人材育成やITの活用に力を入れるほか、企業に設備や人材への投資を促すため、この秋に「官民対話」を始める。」
順序は逆になりますが、成長戦略はこちら。
↓
「日本再興戦略」改訂2015を閣議決定(首相官邸)
第1部「総論」から、会計や会計士に関係しそうな箇所を拾ってみました。(より具体的な計画は第2部以下に記載)
「経営者による大胆かつ前向きな判断を後押しする一環として、取締役会の役割や個々の取締役の責任の範囲を明確化し、経営者が迅速かつ果敢に意思決定を行えるようにする。
あわせて、投資家に対する企業情報の開示が迅速かつ効率的になされるよう、会社法、金融商品取引法、証券取引所上場規則それぞれが定める情報開示ルールの見直しを行い、中長期的な企業価値の創造に向けた企業と投資家の建設的な対話を促進する。また、金融機関についても、企業に対する経営支援機能の強化等を一層推進し、企業の収益力向上や事業再編に積極的に関与していくよう促していくこととする。」5ページ
「これまで様々な主体がバラバラに展開してきたが故に十分な効果を上げてこなかったベンチャー関連施策を有機的に統合・連携させる形で、グローバル競争力のあるベンチャー創出促進に向けた2020 年までのロードマップとして「ベンチャー・チャレンジ 2020」を策定することとする。」7ページ
「民間事業者のセキュリティ強化を促す。
・・・セキュリティ認証制度の導入やサイバーセキュリティ保険の普及促進、専門人材の育成支援等により民間事業者のセキュリティ強化を促進するとともに、日常生活・経済活動に必要不可欠な社会基盤を支える重要インフラ事業者については、更なるセキュリティ強化策を講ずる。」12ページ
「飛躍を目指す中堅・中小企業・小規模事業者に対するニーズに応じたきめの細かい経営支援体制を強化するとともに、中小企業・小規模事業者に対する地域金融機関による積極的な経営支援を促進する。」18ページ
「今後、地方自治体には、地場企業に対してビジネスチャンスを生み出す起点としての役割も期待される。公共施設等の民間開放を進めることによる、民間の創意工夫を活かしたサービスの創出である。こうしたいわゆる PPP/PFI は、ビジネスチャンスの創出、民間の創意工夫を活かした住民へのサービス向上、効率化による公的負担の軽減の一体的な実現を可能とするものであり、「一石三鳥」である。」23ページ
批判的な記事。「弾切れ」だそうです。
↓
アベノミクス成長戦略ついに「弾切れ」!「経済最優先で高支持率維持」はもう限界(現代ビジネス)
「骨太の方針」はこちら。
経済財政運営と改革の基本方針2015 ~経済再生なくして財政健全化なし~(内閣府)
そのうち、税金関係については・・・
政府が「骨太の方針」を決定(タビスランド)
「歳入改革では、2017年4月に消費税率10%への引上げを実施するが、それ以外の国民負担増は極力抑制するよう努めると明記。このほか、1)企業の新陳代謝や労働の移動を円滑化させることで、企業収益と就業者所得の増加を促し、税収増につなげる、2)「公的サービスの産業化」や「公共サービスのイノベーション」で課税ベースを拡大、3)マイナンバー制度の活用による税と社会保険料徴収の適正化、などを挙げている。
骨太の方針とともに成長戦略、規制改革実施計画が決定したが、財政健全化と密接に絡む成長戦略では、配偶者控除の見直しや待機児童対策により働く女性を後押し。また規制改革実施計画では、農地集約に向けた耕作放棄地への課税強化などが掲げられている。」
骨太の方針で税制構造改革の基本方針示す(タビスランド)
「現在進めている成長志向の法人税改革は、できるだけ早期に完了する。国・地方を合わせた法人実効税率は、平成27年度現在32.11%で、28年度に31.33%になる。政府は今後の税制改正により、法人実効税率20%台まで引き下げることを目指している。」
「27年度税制改正で検討事項に取り上げられた年金課税など高齢者に対する優遇税制が見直される模様。」
「相続・贈与税のさらなる見直しが想定される。」
最近の「企業会計」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
2000年
人気記事