会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

元従業員2人、着服5億円超 TOKAIHD(静岡市)の2子会社(静岡新聞より)

元従業員2人、着服5億円超 TOKAIHD(静岡市)の2子会社

TOKAIホールディングス(東証1部上場)の子会社2社で従業員2名による被害総額5億円超の着服事件があったという記事。

「同HDによると、TOKAIの元従業員は2014年2月から、同社が受注した複数の工事に絡んで架空の請求を行い、約1億7300万円を不正に得ていた。

東海ガスの元従業員は経理担当者だった同年3月から、会社の資金を自身の銀行口座に不正送金し、約3億6800万円を着服した。

いずれもことし7月、名古屋国税局の税務調査で指摘されて発覚した。」

記者会見などは開かれず、新聞社が問い合わせても詳細を明らかにしていないそうです。開示も、東証適時開示のみで、会社のウェブサイトのIR情報のページではひとこともふれていません。

「被害総額が5億4千万円以上と多額で、今月28日に控える2021年9月中間連結決算の発表に影響が及ぶ可能性がある。」

当然、決算発表までに、徹底的に調べて、財務への影響をはっきりさせる必要があるでしょう。間に合わなければ、延期すべきです。会計監査人(トーマツのようです)も四半期レビューができません。

2021年3月期の数字を見ると、総資産1800億円ぐらいの会社ですが、有形固定資産が1000億円ぐらいあって、流動資産は約470億円(うち現預金は56億円しかない)ですから、預金が4億円弱不正流出していたとすれば、それなりの影響があるはずです。

そもそも、7月に実施された税務調査で不正が発覚したのであれば、8月13日の第1四半期報告書提出までにわかっていたのではないかという疑念がわきます。

当社子会社元従業員による不正行為について(PDFファイル)

「本件発覚後、顧問弁護士を委員長とする社内調査委員会を立ち上げ、「詳細な内容の解明」「管理者の責任」「原因究明」「再発防止」をポイントとして調査を進めております。社内調査委員会による調査の終了時には委員会より調査報告書を受領次第、速やかにお知らせいたします。また、社内調査委員会の調査の途中で開示すべき事項があった場合には、速やかに公表します。」
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