会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

【ゴーン氏再逮捕】妻「特捜部の聴取に危険を感じた」は誤報 日経が訂正(Yahooより)

【ゴーン氏再逮捕】妻「特捜部の聴取に危険を感じた」は誤報 日経が訂正

日本経済新聞が4月8日付朝刊1面で、ゴーン氏が再逮捕された後、ゴーン氏の妻が出国し、東京地検特捜部の聴取について「危険を感じた」とフランスメディアのインタビューに答えたかのように報じたのは、誤報だったという記事。

日経は、「日産自動車元会長、カルロス・ゴーン容疑者の妻、キャロルさんが東京地検特捜部の聴取について「危険を感じた」として応じないまま5日夜に日本を出国し、パリに到着したことがわかった」と報じましたが、特捜部の聴取について危険を感じたなどとはフランスのメディアには書いてなかったとのことです。

「これに対し、ゴーン氏の弁護人を務める高野隆弁護士が8日、ブログで「日経新聞の記事は、仏紙ジュルナル・ディマンシュの記事の中のキャロルさんの言葉の一部を切り抜き、不適切な形で引用した上で、あたかも彼女が事件に関与し、事情聴取を受けることを恐れて出国したかのような印象を作り出しています」などと指摘。仏紙ジュルナル・ディマンシュのインタビューの原文を確認すると、事情聴取を求められて危険を感じたとは言っておらず、キャロルさんの名誉を毀損するだけでなく、読者に対する冒涜でもあるとして、日経に対し「直ちに記事の誤りを正し、謝罪をすべきです」と抗議していた。」

<訂正>米国のパスポートで出国 ゴーン元会長妻(日経)

米国のパスポートで出国 ゴーン元会長妻(訂正付き)(日経)

もっとひどいことを書いている記事もあります。

妻にも捨てられたか?!ゴーン容疑者 さらに遠のく「家族」と「保釈」(フジテレビ)

「オオシバくん:
でも、妻まで逮捕したりはしないよね?

平松デスク:
それは分からないよ。
事件に関与した疑いがあれば、妻だって逮捕されるさ。今回は事件への関与は不明だけれども、キャロル夫人だって逮捕される恐れを感じて出国したみたいだからね。 」

逮捕するのが当然みたいな言い方です。ただ、家族まで逮捕して人質に取るのは、特捜部の常套手段のようです。

ゴーン容疑者妻聴取めぐり攻防 「身の危険」に特捜部「やましいからでは」(産経)

「特捜部側は「やましさがあるからでは」と疑念を深め、キャロルさんは仏メディアに「身の危険を感じた」と語ったという。」

特捜部の匿名発言とゴーン氏の妻の仏メディアでの発言を無理矢理つなげて、印象操作をしています。

この記事では、フランスのメディアに語ったことが少し詳しく書かれています。事情聴取の危険はともかく、逮捕される危険は感じていたようです。

日本を脱出したゴーン夫人がフランスで語ったこと(Yahoo)

「「なぜ日本を離れたのですか」という質問に、ゴーン夫人はまさにアクション映画さながらの日本脱出だったと答えている。

「身の危険を感じたからです。夫がすぐに保釈されるかどうかについての情報を待っていましたが、弁護士から数日は夫と話すことができないだろうと言われたので、日本を離れる決心をしました。夫が逮捕された木曜日の夜は、隣人の家で、ソファーを借りて眠りました。警察に私のレバノンのパスポートを没収されましたが、アメリカのパスポートが残っていました。金曜日の朝、在日フランス大使が飛行場まで一緒に来てくれ、飛行機に乗り込むまで付き添ってくれました。最後の最後まで離陸できるかどうかはわからず、映画『アルゴ』(イランで反米デモ隊に占拠されたアメリカ大使館から大使館員が脱出するシーンがある。実際に起きた事件をもとにしたベン・アフレック監督作品。2012年作)を実際に生きているかのような、信じられないシーンでした。」

「再逮捕にショックを受けましたか?」という質問に対しては、「夫を逮捕し、50m2の二部屋しかないアパートを隈なく捜索するためだけのために、検察側は最低20人もの捜査官を動員しました……私は何度も身体検査されました。パジャマ姿だったので何も隠せるわけはないでしょうに! 女性警官がシャワーを浴びる時も、トイレに行くときもついて来て、屈辱的な思いをさせられました」と語っている。

そして、「私のパソコン、(夫はパソコン所持を禁止されていました)、タブレット、電話を取り上げられました。『私は日本語がわからないし、日本に知り合いもいない。子どもたちに連絡をしたいから』と言って、どれか一つを残してくれるように嘆願しましたが、聞き入れられませんでした。……令状にサインするように言われましたが、しませんでした。私も一緒に来るようにということでしたが、弁護士に言われていた通りそれも拒否しました。」と、参考人として呼ばれること、つまり「身の危険を感じた」理由を述べている。」

事情聴取が「身の危険を感じた」理由であるというのは、記者の見方なのでしょう。日経のように、フランスのメディアがそう書いているとはいっていません。

フランス語がわかる方は原文をどうぞ。

EXCLU JDD. Carole Ghosn : "Tout le monde a lâché Carlos"

Vous avez quitté Tokyo quarante-huit heures après l’arrestation de votre mari. Pourquoi?
Je me suis sentie en danger. J’ai attendu de savoir si Carlos allait rester en prison ou s’il pouvait sortir vite. Quand j’ai compris et que les avocats m’ont dit que je ne pourrais plus communiquer avec lui pendant des jours, j’ai pris ma décision....

黙秘権行使中でも連日聴取「拷問だ」 ゴーン氏弁護団(朝日)

「申入書は8日付。それによると、ゴーン前会長は弁護人の助言に従って、再逮捕の当初から「供述は一切せず、いかなる文書にも署名しない」という考えを検事に表明。それでも地検特捜部の検事は毎日、東京拘置所内の取調室に来て質問を繰り返し、5時間近くに及ぶ日もあるという。」

被疑者取調べに関する申し入れ書

ゴーン前会長の処遇「言語道断」 仏経営者団体会長が発言(中日)

「ルードベジユー氏は「私たちが目にしている日本の司法制度は全く言語道断だ。弁護側は自分の主張をすることができない」と強調。「彼(ゴーン容疑者)は明らかに口封じのために再逮捕された。許しがたい」とも述べた。」
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