「岸田首相は下心ありあり」…減税額を給与明細に明記、なぜ義務に? 立民・辻元清美氏が追及 「企業から悲鳴」
定額減税の減税額を給与明細に明記することについて、5月22日の参院予算委員会で議論があったようです。
「政府が6月から実施する定額減税を巡り、所得税の減税額を給与明細に明記するよう企業に義務づける方針への反発が強まっている。22日の参院予算委員会では、立憲民主党の辻元清美氏が「(選挙対策の)下心ありありだ」と追及したが、岸田文雄首相は正面から答えなかった。」
「減税額の記載義務づけについては、SNSなどで「選挙向けのアピールでは」「民間企業の事務負担が増える」などの批判が出ている。辻元氏は「増税の時も義務として(増税額を)書かせるのか」と迫ったが、岸田首相は「増税後の税の明細については、明細書に明らかにされるものだ」とはぐらかした。」
「「(民間企業から)煩雑な事務作業、システム改修が必要になると悲鳴の声が上がっている」と指摘し、「企業などに相当の負担をかけているということは認識しているか」とたたみかけたが、岸田首相は「負担が生じるということは承知しているが、昨年来の年末の税制改正大綱のなかで明記は決定した」などとして、取り合わなかった。」
自民党と公明党が密室で決めた税制改正大綱が、広く議論されることなしにほぼそのまま政府の大綱になり、法令化されるという仕組み自体がおかしいのでしょう。
開き直った岸田首相、定額減税の給与明細明記は「大事だ」 辻元清美氏の追及にどう答えた?<詳報>(東京)
「辻元氏「6月からの定額減税について伺いたい。企業の給与明細への明記は義務ですか」
岸田首相「給与やボーナスの明細に明記することは、昨年末の税制改正大綱で決定しています。3月末に公布した財務省令において、給与明細での義務的記載事項として定めております」
辻元氏「いくら減税されたかは企業に給与明細に義務としてしっかり書かせると。増税の時も義務として書かせるんですか」
岸田首相「明記については、国民への周知を行うことによって、経済的な効果、経済政策との整合性、こういったことを周知させるものであると思います。税制改正大綱で定め、そして財務省令において定めた、こういったことであると考えております」」
この財務省令というのは、これのことでしょうか。
(所得税法施行規則の一部を改正する省令新旧対照表より)(令和6年度税制改正 省令)
定額減税の明記 “税金を使った選挙の買収運動”立民 安住氏(NHK)
「来月から実施する定額減税で、給与明細に減税額を明記するよう義務づける政府の方針について、立憲民主党の安住国会対策委員長は「国民に『ありがたみを感じろ』と言わんばかりで、税金を使った選挙の買収運動だと言われてもしかたない」と批判しました。」
しかし、給与明細に記載することが本当に自民党に有利なのでしょうか。給与の額にもよりますが、特別減税額の記載は、6月に始まって(6月で完結する場合もある)、数ヶ月でゼロになるでしょう。特別減税額ゼロの給与明細がずっと続いたりしたら、やはり一時しのぎなのだということが印象づけられて、むしろ逆効果なのでは。6月中に選挙をやるのなら効果があるのかもしれませんが。